香典の書き方とマナー: 正しい手順と注意点

2024.10.8

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葬儀に参列する際、故人への哀悼の意を表し、遺族を支えるために渡す「香典」は、日本の大切な習慣です。香典を準備する際には、香典袋の選び方や、外袋・中袋の書き方、渡し方、さらには香典に使うお札に関するマナーまで、細かな注意が必要です。この記事では、正しい香典の書き方や、準備する際の重要なポイントを詳しく解説します。

1. 香典袋の選び方

香典を包む「不祝儀袋」は、宗教や葬儀の形式に応じたものを選ぶ必要があります。選び方には以下のような違いがあります。 ・仏式: 白黒や白銀の水引がかけられた不祝儀袋を選びます。 ・神式: 白黒または白黄の水引を使うのが一般的です。 ・キリスト教式: 水引のないシンプルな白い封筒を選びます。

2. 外袋の書き方

香典袋の外袋(不祝儀袋)の表面には、故人に対する哀悼の気持ちを込めた「表書き」と、香典を渡す人の「名前」を記入します。

2-1. 表書きの書き方

表書きは、宗教によって使う言葉が異なります。香典袋の上部中央に書く言葉には、以下のような違いがあります。 ・仏教: 「御霊前」「御香典」「御佛前」。四十九日までは「御霊前」、それ以降は「御佛前」が一般的です。 ・神道: 「御霊前」「御玉串料」「御榊料」を使います。 ・キリスト教: 「御花料」「献花料」が使われます。

2-2. 差出人名の書き方

外袋の下部に自分の名前をフルネームで書きます。筆ペンや毛筆で書くのが正式なマナーです。 ・夫婦連名: 夫の名前を中央に、妻の名前をその左側に少し小さく書きます。 ・複数名で贈る場合: 3名までであれば縦に並べて書きます。4名以上の場合は「○○一同」と書き、別紙に全員の名前を記載します。

3. 中袋の書き方

中袋には、香典として渡すお金を入れ、その袋にも必要な情報を書きます。

3-1. 中袋の表面

中袋の表面には、金額を漢数字で書きます。例えば、5,000円は「金 伍仟圓」、10,000円は「金 壱萬圓」と記載します。

3-2. 中袋の裏面

中袋の裏側には、自分の住所と名前を記入します。これは遺族が誰から香典を受け取ったか確認できるようにするためです。中袋がない香典袋を使う場合は、香典袋の裏面にこれらの情報を書きます。

4. 香典の金額とお札の選び方

香典の金額は、故人との関係や地域の慣習によって異なります。以下は一般的な金額の目安です。 ・友人・知人: 3,000円~10,000円 ・親族: 10,000円~50,000円 また、「4」や「9」を含む数字は「死」や「苦」を連想させるため避けるのが一般的です。例えば、4,000円や9,000円ではなく、5,000円や10,000円とするのがマナーです。

4-1. 香典に使うお札は新札でもいいのか?

香典に使用するお札については、「新札は避けるべき」という考えが一般的です。新札を使うと「訃報を予期して準備していた」という印象を与える可能性があるからです。そのため、通常は少し使用感のあるお札を用意するのが無難です。 ただし、急な葬儀で新札しかない場合は、新札を一度軽く折ってから使うことも許容されています。折り目をつけることで、あらかじめ準備していたという印象を和らげることができます。

5. 香典の渡し方と注意点

香典を渡す際にも、いくつかの重要なマナーがあります。 ・香典袋を袱紗に包む: 香典袋は直接手に持たず、袱紗に包んで持参するのが正式です。受付で渡す際には、袱紗から取り出して手渡します。 ・両手で渡す: 香典袋は両手で持ち、表書きが相手に見える向きにして渡します。 ・簡潔な言葉を添える: 「このたびはご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」など、簡潔で礼儀正しい言葉を添えるのが適切です。

6. まとめ

香典の書き方やマナーには、宗教や慣習に応じたルールが多く存在します。外袋や中袋の正しい書き方、香典に使うお札の選び方、さらに渡し方まで、細かな配慮が求められます。特にお札については、新札を使う場合の配慮も忘れずに行いましょう。 香典は単なる形式的な贈り物ではなく、故人への哀悼と遺族への心遣いを表す大切な習慣です。適切なマナーを守って、感謝と敬意を示しましょう。

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