2024.10.15
仏壇に飾る「掛け軸」は、宗派ごとの信仰や教えを象徴する大切な要素です。宗派によって掛け軸の内容が異なり、それに合った選び方が重要です。この記事では、代表的な宗派ごとの掛け軸の特徴や選び方のポイントを丁寧に解説し、購入時の注意点や手入れ方法も紹介します。
仏壇の掛け軸は、宗教的な意味を持つ絵や文字が描かれた巻物で、家庭内の仏壇を荘厳に飾り、信仰の中心となります。掛け軸には、宗派ごとに異なる本尊や脇仏が描かれ、その内容は宗派ごとに異なります。
それぞれの宗派には、特有の本尊や脇仏があります。以下に、代表的な宗派ごとの掛け軸の特徴を紹介します。
本尊:阿弥陀如来 脇仏(本願寺派):右:親鸞聖人、左:蓮如上人 脇仏(大谷派):右:十字名号、左:九字名号
本尊:阿弥陀如来 脇仏:右:智者大師、左:伝教大師
本尊:大日如来 脇仏:右:弘法大師、左:不動明王
禅宗の仏壇では釈迦牟尼仏が主尊として祀られますが、臨済宗と曹洞宗で脇仏が異なります。 臨済宗:釈迦如来を中心に、右に文殊菩薩、左に普賢菩薩が配置されます。 曹洞宗:釈迦如来を中心に、右に承陽大師、左に常済大師が配置されます。
本尊:阿弥陀如来 脇仏:右:善導大師、左:法然上人
本尊:御曼荼羅 脇仏:右:大黒天、左:鬼子母神
掛け軸を選ぶ際は、宗派に応じた本尊と脇仏が正しく描かれているか確認することが重要です。以下のポイントに留意して選びましょう。
宗派ごとに本尊や脇仏が異なるため、自分の宗派に合ったものを選びましょう。誤った本尊や脇仏を選んでしまうと、後で使用できなくなる可能性があります。
掛け軸の大きさは仏壇のサイズに合わせて選ぶことが大切です。小型の仏壇には小さめの掛け軸、大型の仏壇にはそれに見合ったサイズの掛け軸を選び、全体のバランスを整えましょう。
掛け軸の素材には、和紙や絹がよく使われます。長期にわたって使用することを考慮し、耐久性の高い品質の良い掛け軸を選ぶことをお勧めします。特に、手描きや高級な材料を使用したものは値段が高くなりますが、見栄えが良く、長く愛用できるアイテムとなります。
掛け軸を購入する際には、以下のポイントに注意して購入しましょう。
まず、購入前に自分の宗派を確認し、その宗派に合った掛け軸を選びましょう。間違った掛け軸を購入すると、後で使えない可能性があります。
掛け軸は、本尊と脇仏がセットになっているものが一般的です。セットで購入する方が価格が抑えられることが多いため、セット販売の確認を忘れずに行いましょう。
掛け軸の価格は、素材や製作者によって大きく異なります。安価なものは耐久性に欠けることがあるため、長期的に使用する予定がある場合は、ある程度の投資を検討しましょう。
掛け軸は、仏具店、ネットショップ、仏壇専門店などで購入可能です。実物を見て選びたい場合は、仏具店や仏壇専門店を訪れるのが良いでしょう。近くに店舗がない場合や忙しい方は、信頼できるオンラインショップを利用することも可能です。
掛け軸を長く美しく保つためには、定期的な手入れが必要です。以下に基本的な手入れ方法を紹介します。
掛け軸は、ほこりや湿気を避けるため、日常的に柔らかい 布や羽根はたきを使ってほこりを軽く払いましょう。直接手で触れると手の油分が和紙や絹に移ってしまうため、手袋を使用すると良いでしょう。
掛け軸は湿気を嫌います。定期的に仏壇の扉を開け、換気を行いましょう。特に梅雨の季節や湿気の多い場所では、湿気がこもらないように注意する必要があります。
掛け軸を長期間使用しない場合は、直射日光の当たらない風通しの良い場所に保管しましょう。専用の掛け軸収納箱や布で包んで保護し、湿気や虫害から守ることが大切です。
掛け軸が破損した場合は、自分で修理するのは難しいため、専門の修復業者に依頼することが推奨されます。掛け軸の修理は、専門知識と技術が必要なため、信頼できる業者を探しましょう。
仏壇の掛け軸は、宗派ごとの信仰を反映し、仏壇を荘厳に整える大切な要素です。選ぶ際には、必ず各宗派のお寺の僧侶や専門家に相談し、正しい本尊や脇仏、配置方法を確認することが必要です。その上で、仏壇のサイズや素材、品質に気を配って選びましょう。また、掛け軸を長く美しい状態で保つためには、定期的な手入れも欠かせません。正しい管理で、長く掛け軸を愛用できるでしょう。
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