お墓や葬儀の手続きで気をつけたいトラブルまとめ:過去の事例と対策を解説

2024.10.31

    お墓や葬儀に関連する手続きは、故人を見送るための大切な時間ですが、トラブルが発生することも少なくありません。特に、価格やサービス内容に関するトラブルや、事前の説明が不足していたことによる不満が多く寄せられています。今回は、過去の具体的な事例と注意すべきポイント、さらにトラブルが起きないための対策について詳しく解説します。

    1. お墓や葬儀サービスにおける相談件数の増加

    消費者の苦情やトラブル相談を受け付ける「PIO-NET(パイオネット)」のデータによれば、近年、墓や葬儀に関連する相談件数が増加傾向にあります。特に、「価格やサービス内容についての説明不足」や「高額な請求」についての苦情が多く寄せられています。

    2. お墓に関する最近のトラブル事例

    お墓に関しても、宗派の確認や契約内容に関する問題、寺院とのやりとりにおける費用についての不満が目立ちます。最近では、以下のような事例が報告されています。

    【事例1】宗派の違いによるトラブル

    亡き父のために母が寺院に確認し墓地を購入。しかし、後に別の宗派だということが発覚しました。母は解約を求めましたが、寺院から 「解約料を請求」 され、納得できないと感じています。

    【事例2】離檀料の高額請求

    遠方の寺院の永代供養墓に納骨している両親の遺骨を近くの霊園に移そうとしたところ、寺院から 「高額な離檀料」 を請求され、手続きが進まないケースも報告されています。

    【事例3】納骨スペースの不具合対応

    親戚が建てた墓の納骨スペースに雨漏りがあり、業者に伝えましたが、「不具合はない」と言われて対応してもらえないといったトラブルも報告されています。

    【対策】

    墓の購入前には、宗派の確認や契約内容について 「細かく確認」 し、書面で契約内容を残しておくことが大切です。また、離檀料などの追加費用については事前に確認し、予算内での手続きが可能かどうかを見極める必要があります。

    3. 葬儀サービスに関する最近のトラブル事例

    葬儀業者や斎場、僧侶の手配に関する相談も多く寄せられています。ホームページの情報や説明の不備によるトラブル、実際のサービスの質に不満を抱くケースが少なくありません。

    【事例1】ホームページの金額と異なる請求

    葬儀業者のホームページを見て連絡し、説明を受けて契約。しかし、実際の請求額は 「ホームページ記載の金額よりも高額」 になっていました。

    【事例2】パンフレットの写真と異なる葬儀場

    一括サイトでパンフレットを取り寄せて葬儀場を選んだが、申し込みをした寺が 「写真とは異なる古い建物」 で、写真は葬儀を行わない別の建物だったということが後から判明しました。

    【事例3】見積書が提示されないまま契約

    母親が亡くなり、葬儀社に依頼。しかし、見積書が提示されず、葬儀後に高額な請求書が届きました。葬儀社に説明を求めましたが、納得できる返答がなく、不満が募る結果に​。

    【対策】

    葬儀業者との契約前には、ホームページやパンフレットに記載された情報を鵜呑みにせず、実際のサービスや費用について 「現地で確認」 することが重要です。また、契約内容や追加費用については書面で明確に記載してもらい、不明点を確認するよう心がけましょう。

    4. 葬儀に関連する主なトラブルの特徴

    独立行政法人国民生活センターによると、葬儀に関連する相談の中で最も多いのは 「高価格・料金」 に関するものであり、次いで 「説明不足」 や 「契約内容」 に関するトラブルが多く寄せられています。 さらに、トラブルの背景には、葬儀社の説明不足や消費者側の理解不足、急な対応による焦りなどが影響しています。 現代の都市部では家庭で葬儀を行うことが少なく、ほとんどが葬儀社を利用していますが、多くの人が「費用をかけず家族だけで見送りたい」と考えている一方、サービスの選択肢が増え、費用の項目が複雑化しています。親しい人との別れという状況で冷静な判断ができない中、葬儀社の説明が不十分だったりすると、トラブルが発生しやすいのです​。

    トラブルが起きないようにするためには?

    1. 事前の情報収集を怠らない

    事前に葬儀についての知識を深めておくことが、トラブルを防ぐ大きな鍵となります。自分や家族の希望に沿った葬儀を執り行うためには、どのようなプランや選択肢があるのかを知り、適切なサービスを選ぶことが重要です。例えば、「家族葬」を希望する場合でも、葬儀社によって異なる費用やサービス内容をしっかり確認しておきましょう。

    2. 複数の葬儀社から見積もりを取る

    一つの葬儀社に依頼するのではなく、複数の葬儀社から見積もりを取ることで、料金やサービスの比較ができます。インターネットでの見積もり依頼や、直接の相談窓口を利用して、実際の金額やプランの違いを把握することが大切です。

    3. 打ち合わせは複数人で行う

    葬儀の打ち合わせは、喪主一人ではなく、親族や第三者と一緒に行うようにしましょう。冷静な人が同席することで、聞き漏らしや確認忘れを防ぐことが期待できます。また、契約時には見積書の確認を怠らず、特に追加費用が発生する項目についてはしっかり説明を求めましょう​。

    4. トラブルが発生したら消費生活センターに相談

    もしトラブルが発生した場合は、速やかに消費生活センターに相談しましょう。適切なアドバイスや解決方法を提示してくれます。

    おわりに

    お墓や葬儀の手続きは、思いがけないトラブルに直面する可能性があります。しかし、事前に注意すべきポイントを知っておくことで、こうした問題を防ぐことができます。この記事でご紹介した事例と対策を参考に、後悔のない選択をしてください。 参照 https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/sougi.html 独立行政法人 国民生活センター「大切な葬儀で料金トラブル発生!-後悔しない葬儀にするために知っておきたいこと-」

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