健康意識調査から考える、日々健康に過ごすためのアドバイス:終活の観点から

2024.11.5

    充実した老後を迎えるため日々健康に過ごすことは、終活の一部であるといえます。内閣府 男女共同参画局の「令和5年 健康意識調査」によれば、日々の健康を意識し、豊かな生活を送ることが、安心できる老後への準備に欠かせない要素であることが明らかになりました。終活は、人生の終わりに向けた整理だけでなく、健康を大切にしながら豊かな生活を築く取り組みでもあります。調査結果をもとに、より良い老後に向けた健康課題への具体的な取り組みを考えてみましょう。

    1. 自身の健康状態を正確に把握する

    健康意識調査によると、50~60代の約80%の女性が自らを「健康だと思う」と回答していますが、同年代の男性では「健康でない」と感じる割合が30%近くに達しています​。この結果から、特に男性は体調管理に対して十分な配慮が必要です。また、女性においても「健康」と感じつつも、慢性的な症状を見過ごしがちなことが分かります。

    アドバイス

    定期的な健康診断や人間ドックを受診し、健康状態を継続的にチェックすることが重要です。調査では、50~60代の人々の約70%が1年以内に健康診断を受けているという結果が出ていますが、未受診の方は早めのスケジュール調整をおすすめします​。健康診断は「単なる確認作業」ではなく、老後に向けた生活改善のための「出発点」として捉えましょう。

    2. 日常の健康管理を「生活習慣」として取り入れる

    調査では、「月に3~4日程度以上体調が悪い」と感じている割合が女性で34.2%、男性で27.0%と示されています​。特に女性において、体調不良が日常的に多く見られることが分かりました。 また50代以上の人々の間では、「肩こりや関節痛」「だるさ・疲れやすさ」が主な健康課題として挙げられています。調査結果では、女性の40.1%が「肩こりや関節痛」を訴えており、特に50~60代の女性の約30%がこの問題を感じていると回答しています​。

    アドバイス

    このような体調不良は、生活の質や活動量に大きな影響を与えるため、日々の健康管理が重要です。 健康管理を「一時的な対策」としてではなく、「生活習慣」として取り入れてみましょう。日常的な運動やバランスの取れた食事、規則正しい生活リズムの確立が推奨されます。ウォーキングや軽いストレッチ、適度な筋力トレーニングを日課に取り入れることで、筋力維持や柔軟性の向上が期待できます。また、健康的な食生活の見直しも欠かせません。

    3. ストレス管理と心のケアを重視する

    40~50代男性の約25.9%が「心理的ストレスが高い」と評価されています​。また、20代では男女ともに約40%が「心理的ストレスが高い」と回答しており、若年層のストレスも問題視されています。さらに、仕事を引退するシニア世代は社会的な役割の変化や、家族との時間が増えることで新たなストレスを抱えることがあります。

    アドバイス

    心の健康にもしっかり目を向け、精神的なケアを大切にすることが重要です。趣味を持つことでリラックスする時間を確保し、ストレスを軽減することが推奨されます。絵画やガーデニング、旅行など、自分が楽しめる活動を見つけてみましょう。また、家族や友人とのコミュニケーションを大切にし、自分の考えや不安を話す場を作ることも重要です。

    4. エンディングノートを作成して意思を明確にする

    「エンディングノート」は、自分の意思や希望を家族に伝えるための大切なツールです。健康意識調査の結果からも、シニア世代の多くが「家族に迷惑をかけたくない」「自分の意思をしっかりと伝えたい」と感じていることがわかっています。具体的には、自分の健康状態や治療方針、財産管理、葬儀の希望などをノートに記載し、家族との共有を進めることが大切です。

    アドバイス

    エンディングノートの作成を進める際は、自分の健康状態を見直し、治療や介護が必要になった場合に備えた具体的な計画を立てましょう。また、信頼できる家族や友人にその存在を伝え、緊急時に必要な情報がスムーズに共有されるようにします。健康状態が良好なうちに、少しずつ準備を進めていくことが理想的です。

    5. 家族と一緒に「今後の生活の方向性」を話し合う

    健康意識調査では、多くのシニア層が「健康管理や病気への対策をしっかり行いたい」と考えている一方で、「金銭的な余裕がない」「病院に行く時間がない」といった理由で十分な対策が取れないことも示されました。特に20~30代の女性の36.3%が「金銭的な余裕がない」と回答しており、時間的な余裕も大きな課題となっています​。

    アドバイス

    終活を進めるうえでは、家族との対話を通じて「今後の生活の方向性」を話し合うことが大切です。特に、介護や健康管理の希望を共有し、家族全員で老後の生活をサポートし合えるような環境を整えることが理想です。家族全体で「どのように老後を過ごしたいか」を話し合い、具体的なサポート体制を考えることが、心の安心感を生む鍵となります。

    6. 金銭的な不安を解消し、老後の暮らしを安心に

    調査では、特に若年層や女性において「金銭的な余裕がないため、十分な対策が取れない」との回答が多く見られました。終活を進めるにあたり、経済的な準備は避けて通れない課題です。

    アドバイス

    まずは年金や貯蓄の状況を見直し、医療費や介護費用の準備について具体的な計画を立てましょう。また、保険の見直しも効果的です。医療保険や介護保険、生命保険などを適切に選び、老後のリスクに備えておくことで、安心感を得られます。家族と協力して、将来の経済的な不安を軽減し、安心して老後を迎えられる基盤を築いていきましょう。

    まとめ

    健康意識調査の結果から、終活を進めるうえでの重要な取り組みが見えてきました。自分の健康状態を正確に把握し、体調管理や精神的なケアを心がけること、そして家族とのコミュニケーションを大切にすることで、豊かで安心な老後を迎える準備が整います。 終活は、「未来の自分と家族」のために今できる大切な取り組みです。ぜひこの機会に、自分の健康と生活の状況を見直してみてはいかがでしょうか? (参照:https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/kenkou_r05s.html)

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