喪中はがきはいつ、だれに出せばいいの?該当する親族まで徹底解説

2024.12.12

  • マナー

喪中はがきは、年賀状の代わりに訃報を伝え、新年の挨拶を控えることを知らせる重要なマナーです。しかし、その範囲や送り先、書き方など細かい点で迷う方も多いでしょう。ここでは、喪中の期間や範囲、該当する親族の範囲、送り先、さらにはマナーや注意点について深く掘り下げて解説します。

喪中の範囲はいつからいつまで?

喪中とは、故人を偲び、日常の中でその死を悼む期間を指します。日本では伝統的な価値観や宗教的な教えに基づき、喪中の期間中は祝い事や新年の挨拶を控えるのが一般的です。この期間は単に感情的な区切りだけではなく、家族や周囲の人々に配慮し、社会的なマナーとして重視されます。喪中の長さや内容は、宗教、地域、家庭ごとに異なりますが、大きく「忌中」と「喪中」に分けて考えられます。

忌中の定義と範囲

忌中とは、故人の死から四十九日間(仏教の場合)を指し、この期間は「穢れ」を避けることを目的とした、非常に慎重な時期とされています。忌中の期間は特に厳格なマナーが求められることが多く、家族や近親者は以下のような行動を控えるのが一般的です。 1.祝い事を避ける 忌中の期間中は、結婚式やお祝いの席に出席することを避けます。また、自分が主催するお祝いごともこの期間は控えるのがマナーです。 2.神社への参拝を控える 神道の考え方では、死は「穢れ」とされ、忌中の間は神聖な場所である神社への参拝がタブーとされています。家庭に神棚がある場合も、「神棚封じ」と呼ばれる布をかけて拝礼を避ける習慣があります。 3.外部との接触を減らす 特に仏教では、忌中の間は故人を弔うことに専念するべきとされ、外部との接触を最小限にすることが推奨されます。友人との会合や趣味の活動も控える人が多いです。

忌中の宗教的な背景

忌中の期間が四十九日とされる理由は、仏教における「中陰」の思想に由来します。中陰とは、死後から生まれ変わるまでの期間とされ、故人の魂が現世と来世の間を彷徨う時期と考えられています。この間に行われる供養や祈りが、故人の次なる生への道筋を良いものにするとされています。忌中が終わる四十九日の法要をもって「忌明け」とし、それ以降は日常生活に戻ることが許されます。

喪中の定義と範囲

一方で、喪中は忌中が明けた後の期間を指し、一般的には故人の死から1年間、あるいは次の正月までが喪中期間とされています。この期間中は、特に以下のような慣習が大切にされます。 1.新年の挨拶を控える 喪中期間中は、年賀状を出すことを控え、「喪中はがき」を用いて新年の挨拶を遠慮する旨を伝えます。これは、喪中の家族が新年を祝うことが心情的に難しい状況にあることを表すためです。 2.祝い事への参加を控える 喪中は、故人を偲ぶ期間であるため、結婚式や華やかなパーティーなどの参加を遠慮することが推奨されます。場合によっては、送られてきた招待状に丁寧に欠席の連絡をすることが求められます。 3.新年の祝いごとを控える 自宅での新年の飾り付けやお正月の行事を避けることも、喪中の家族にとって一般的です。鏡餅や門松の設置、おせち料理の準備などは控える家庭が多く、静かに過ごすことが尊重されます。

喪中の現代的な解釈

現代では、喪中の期間や慣習について、必ずしも厳格に守られるわけではありません。以下のように、個々の事情や価値観によって柔軟に対応する傾向があります。 1.生活スタイルの変化 昔と比べて家族形態が多様化し、核家族化が進んだ現代では、喪中の習慣も家庭ごとに異なります。一人暮らしの場合や疎遠な親族が亡くなった場合など、状況に応じて喪中の長さや内容を調整することも一般的です。 2.仕事や社会生活への影響 喪中の期間中でも仕事を休まずに続ける方が増えており、慶事への出席や新年会の参加などを選択的に行うこともあります。その際は、丁寧な言葉で事情を説明し、相手への配慮を忘れないことが重要です。 3.宗教観の変化 特定の宗教に依存しない家庭も多いため、忌中や喪中を宗教的な儀式として捉えず、個人的な心情の表現として実践することもあります。

喪中期間の具体的な長さ

喪中の期間は親等によって異なります。日本の伝統的な慣習では以下のように定められています。

喪中期間の長さ

1.1親等(配偶者、父母、子供) 喪中期間は12~13か月が一般的です。特に配偶者の場合、最も近い親族であるため、長めの喪中期間を設けることが多いです。 2.2親等(兄弟姉妹、祖父母、孫) 喪中期間は3~6か月程度です。孫や祖父母の場合は家庭や故人との関係性により異なります。 3.それ以外の親族(おじ・おば、いとこなど) 通常は喪中には含まれませんが、親しい関係があった場合は自主的に喪に服すこともあります。

特殊な場合の喪中

故人が未成年や高齢者の場合:社会的な喪の期間を短くすることがあります。 ・複数の近親者が亡くなった場合:個々のケースで喪中期間が重なる場合は、特に慎重に対応する必要があります。

喪中はがきはいつまでに出すべき?

喪中はがきの投函時期は、相手に届くタイミングを考慮して決定します。一般的に、年賀状の準備が始まる11月中旬から12月初旬までに相手に届くようにするのが理想的です。

理想的なスケジュール

1.11月上旬~中旬:喪中はがきの準備を開始。デザインや文面を決め、印刷を依頼します。 2.11月下旬:投函開始。地域や郵便事情を考慮して余裕を持ちましょう。 3.12月初旬:相手に届く時期。この時期までには相手に通知するのがマナーです。

遅れてしまった場合の対応

12月中旬以降に不幸があった場合、喪中はがきを送るタイミングが間に合わないことがあります。この場合は、年賀状を控える旨を相手に伝える代わりに、以下の方法を検討しましょう。 1.寒中見舞い:1月7日(松の内明け)から2月4日頃(立春)までに送ることで、訃報を伝え、年賀状を控えた事情を説明します。 2.電話やメールで通知:親しい相手には、口頭やメールで直接伝えることも検討してください。

喪中に該当する親族はどこまで?

喪中に該当する親族は家庭や文化的背景によって異なりますが、一般的には以下の範囲が対象とされます。 必ず喪中に含まれる ・配偶者 ・両親(義父母を含む) ・子供 多くの場合含まれる ・兄弟姉妹 ・祖父母 ・孫 ケースバイケース ・配偶者の兄弟姉妹 ・配偶者の祖父母 ・おじ・おば

家庭や文化による違い

例えば、地域や家族の価値観によって、遠縁の親族でも故人との関係が深ければ喪中の対象とする場合もあります。一方、近親者であっても疎遠な場合には、喪中としない選択肢もあります。

喪中はがきを送る相手

喪中はがきを送る相手

喪中はがきを送る相手は、主に年賀状をやり取りする予定だった方々です。具体的には以下のような人々が対象となります。 1.親戚:家族や近しい親族。 2.友人・知人:定期的に年賀状を交換している人。 3.仕事関係者:上司や取引先など、ビジネス上の関係がある方。

送らなくても良い場合

・故人と面識のない相手には、喪中はがきを送る必要はありません。 ・年賀状をやり取りしていない相手にも送る必要はありません。

12月後半に不幸があったら「寒中見舞い」を出す

12月後半に不幸があった場合、喪中はがきを準備する時間がないため、寒中見舞いを利用するのが適切です。 寒中見舞いのポイント 1.送る時期:1月7日(松の内明け)から2月4日(立春)まで。 2.内容:簡潔な訃報と、年賀状を控えた旨を記載します。 3.デザイン:落ち着いた色合いとシンプルな構成を選びましょう。

喪中はがきを出すときのマナー

喪中はがきは、近親者が亡くなった際、新年の挨拶を控える旨を相手に伝える重要な手段です。ただ形式的に送るだけではなく、相手に敬意を払い、故人を悼む気持ちが伝わる内容を心がけることが大切です。そのためには、デザインや文面、敬称の使い方など、細かな点にも注意を払う必要があります。

1. 喪中はがきのデザイン

喪中はがきは、派手なデザインやカラフルな装飾を避け、落ち着いた雰囲気を保つことが大切です。相手への配慮を最優先し、品格を保ちながら故人を偲ぶ気持ちが伝わるデザインを選びましょう。

色合い白黒:伝統的な喪中はがきの色合いで、厳粛な印象を与えます。特にフォーマルな場面や格式を重んじる相手には最適です。 ・淡い色:近年では、白黒だけでなく淡いグレーやブルー、紫など控えめな色合いが使われることも一般的です。これらの色は、落ち着いた印象を与えるとともに、柔らかさや温かみも感じさせます。

背景や装飾 シンプルな無地のデザインが基本ですが、さりげない花や風景のイラストを添えることで、故人を偲ぶ気持ちを表現することもできます。 ・:蓮(れん)や菊、百合など、弔事を象徴する花が選ばれます。最近では桔梗(ききょう)や梅といった控えめな花も使用されます。 ・風景:静かな山、空、川などの自然の風景が好まれます。これらは穏やかで落ち着いた雰囲気を演出します。 ・和柄:市松模様や波模様など、シンプルな和風デザインも適切です。

書体 フォーマルな印象を与える明朝体やゴシック体が基本です。カジュアルな書体や装飾文字は避け、端正な印象を保ちましょう。

2. 喪中はがきの文面

喪中はがきの文面は、簡潔でありながら相手への配慮を感じさせる内容にすることが重要です。過剰に詳細を記載したり、感情的な表現を多用するのは避けるべきです。文面の構成と記載のポイントを具体的に見ていきましょう。

頭語や時候の挨拶を省略 通常の手紙やはがきでは、頭語や時候の挨拶から始めるのが一般的ですが、喪中はがきの場合は省略します。これは、喪中はがきの主旨が年賀欠礼の通知であり、形式的な挨拶よりも主旨を優先するためです。

訃報を簡潔に伝える 誰が亡くなったのか(続柄)、亡くなった日付、亡くなったことを伝える表現を簡潔に記載します。柔らかい表現を用い、直接的な記述は避けるのがポイントです。 例文 「去る令和○年○月○日、私どもの(続柄)○○が永眠いたしました。」 ・「去る」:訃報の日付が過去であることを丁寧に伝える表現です。 ・「永眠いたしました」:直接的な表現を避けた丁寧な言い回しです。

新年の挨拶を控える旨を記載 次に、新年の挨拶を遠慮する旨を簡潔に伝えます。 例文 「つきましては、年頭のご挨拶を控えさせていただきます。」 ・「控えさせていただきます」:謙虚で柔らかな印象を与える表現です。

感謝の意を述べる(任意) 相手との関係性や送る相手に応じて、今年1年の感謝の気持ちを添えると良いでしょう。ただし、形式的な文面を崩さないように注意します。 例文 「本年中に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げます。」

3. 敬称の使い方

喪中はがきには、故人との続柄を記載するのが一般的です。その際、敬称を正確に使用することがマナーです。以下に、よく使われる続柄の例を挙げます。 「義父」「義母」:配偶者の両親を指します。 「祖父」「祖母」:両親の父母を指しますが、相手が祖父母を存命中のケースでは、続柄を詳細に記載すると親切です。 「長男」「次女」:故人が子供の場合は、このように記載します。 例文では、「私どもの母」「夫の父」という表現を用いることで、相手が理解しやすい形に仕上げることが重要です。

喪中はがきの構成

喪中はがきは、相手に伝わりやすいシンプルな構成が基本です。以下の順序を守ることで、形式的でありながら心のこもった内容になります。 1.頭語や時候の挨拶を省略 季節や挨拶を記載しないことで、年賀欠礼の主旨を際立たせます。 2.訃報を伝える 誰が、いつ、亡くなったのかを簡潔に記載します。続柄を明記することも忘れないようにしましょう。 3.新年の挨拶を控える旨を記載 年賀状を控える理由を明確に伝えます。 4.感謝の意を述べる(任意) 必須ではありませんが、相手に対する感謝を添えることで、より丁寧な印象を与えます。

喪中に気をつける3つのポイント

喪中期間中は、日常生活の中でいくつかの点に注意する必要があります。以下に具体的な行動とその背景を挙げます。 1. 神社への参拝や神棚のお供えを慎む 神道では、死は「穢れ」とされており、忌中や喪中の期間中は神社への参拝や神棚への供え物を避けるのが一般的です。これは、神聖な場である神社に穢れを持ち込まないための配慮です。 2. 慶事への参加や実施を控える 結婚式やお祝い事など、華やかな場への参加は避けるべきとされています。また、自らお祝い事を主催する場合も喪中期間中は控えるのがマナーです。 3. 新年のお祝いを控える お正月の飾りつけや新年会などのお祝い行事は、喪中期間中には控えるのが一般的です。これは、新しい年を迎える喜びを慎み、故人を偲ぶための期間とするためです。

喪中はがきの文例

文例 喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます。 去る令和○年○月○日、私どもの(続柄)○○が永眠いたしました。 本年中に賜りましたご厚情に深謝申し上げますとともに、 明年も変わらぬご交誼を賜りますようお願い申し上げます。

まとめ

喪中はがきは、相手に対する礼儀と故人への弔意を示す重要な手段です。適切な範囲やタイミングで送ることで、相手に配慮した丁寧な印象を与えることができます。年末の不幸に対応する際には、寒中見舞いなどを活用して、状況に応じた柔軟な対応を心がけましょう。

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