2024.10.8
国や宗教の異なるふたりが結婚した場合、「お墓」はどうなるんだろう…と考えたことはありませんか? お墓とは文化や宗教が色濃く反映されているものであるため、折り合いをつけるのが難しいイメージがあるかもしれません。別々なお墓に入ると子どもに負担をかけてしまう…先祖代々のお墓があるけど相手は宗教が違う…など、さまざまな悩みもあると思います。 そこでこの記事では国際結婚したカップルのお墓事情について、最近の傾向をふまえながら解説していきます。 新しいかたちのお墓についても触れていくので、国際結婚をしていない方にも新たな発見があるかもしれません。ぜひ目を通していただければ嬉しいです。
まず、外国籍の配偶者が日本のお墓に入れるのかどうかを解説します。 結論から言うと、外国籍の人でも日本のお墓に入ることは可能です。 日本で亡くなった場合、国籍に限らず死亡診断書の発行→死亡届の提出→火葬許可証の発行という流れで火葬を行うことができます。 そして、火葬した遺骨をお墓に入れることもできるのです。 しかし法律的には問題なくても、宗教上の理由でお墓に入れないことがあります。 お墓に入れない例として、日本国籍の配偶者が先祖から継いできたお墓に入ろうとしたが、お墓の菩提寺が他宗教の人の納骨を認めておらず入れなかったという場合などが挙げられます。 先祖代々のお墓にふたりで入ろうと考えている方々は、他宗教でも納骨が可能かど うかをあらかじめ菩提寺に確認しておきましょう。
先祖代々のお墓ではなく、新たにふたりのためのお墓を用意するケースも考えられます。 その場合、外国籍の人が購入の契約者になることも可能です。 しかし霊園やお寺によっては独自の条件(宗教の一致、日本人のみ など)を定めているため、事前に確認することが大切です。
反対に、日本国籍の人が海外のお墓に入ることも可能です。 海外で亡くなった場合、その国の制度に従って死亡手続きをしたあとお墓に入ります。 日本の霊園やお寺同様、独自の条件を定めているケースも多いため、事前に確認しておきましょう。
今は海外在住だけど、最終的には日本にある先祖代々のお墓に入りたい…と考えている方もいらっしゃると思います。 海外で亡くなった場合でも、日本のお墓に入ることは可能です。 国の制度に従って死亡手続きをしたあと、遺体もしくは火葬した遺骨を輸送します。
ここまで見てきたように、国際カップルが同じお墓に入ることは十分可能です。 しかし、国籍や宗教によってハー ドルが上がってしまう場合があることも事実です。 また制度上では可能であったとしても、例えば自分と違う宗教のお墓に入ることに抵抗感を覚えるような方がいらっしゃるのも自然です。 このようなニーズを踏まえ、最近では自由なスタイルを持つ新しいかたちのお墓が増えています。 自由なスタイルとは、国籍や宗教を問わないということです。 ここでは主な例を3つご紹介します。
樹木葬とは、墓石ではなく木をシンボルとするお墓のことです。 国籍や宗教を問わないことが多いため、国際カップルが入りやすいお墓であるといえます。 また樹木葬の多くは永代供養墓(複数の遺骨を一緒に安置するタイプのお墓。お墓の管理者が供養・管理を受け持ってくれるため、お墓を引き継ぐ人が不要)であり、子どもの負担を減らすことにも繋がります。
散骨とは、海や山に遺骨を撒く供養の方法です。 正確にはお墓ではないですが、国籍や宗教を問わずに行うことができます。
手元供養とは、遺骨をお墓に入れるのではなく手元で供養することです。 自宅に骨壺を安置する、遺灰をジュエリーに加工するなどの手段があります。 このように自由なスタイルのお墓は、国際カップルが同じお墓に入る(同じ方法で供養する)ことができるだけでなく、本来お墓を引き継ぐ必要のある子どもの負担を減らすことができるのが大きな特徴です。 近年では、こうした新しいかたちのお墓を選ぶ国際カップルも増えているそうですよ。
今回は、国際結婚したカップルのお墓に関するあれこれについて解説してきました。 国際結婚したカップルでも同じお墓に入れること、さまざまな選択肢があることをおわかりいただけたかと思います。 何よりも大切なのは、相手や家族としっかりと話し合い、それぞれの文化、宗教、意見を尊重して全員が納得できる選択をすることです。 国際結婚しているかどうかにかかわらず、この記事がお墓について考えたり話したりしてみるきっかけになれば嬉しいです。
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