水子供養の進め方:死産や生まれてすぐ亡くなった赤ちゃんの行政手続き・葬儀についても解説

2024.10.11

    水子供養は、堕胎や死産などで亡くなった子供の霊を慰め、心の平安を得るための大切な儀式です。こうした不幸な状況で、供養や手続きをどう進めるかは非常に重要です。今回は、水子供養の進め方に加え、行政手続きや支援制度も含めて詳しく解説します。

    水子供養の意味と重要性

    「水子」とは、胎内で亡くなった赤ちゃんや、堕胎・死産により生まれることのできなかった赤ちゃんを指します。仏教では、亡くなった水子の霊を成仏させるために供養を行います。この儀式は、失われた命への感謝と追悼を込め、親や家族の心を癒やすものです。 さらに、生まれてすぐに亡くなった赤ちゃんも広い意味で「水子供養」の対象とされることが多く、家族が心を込めて供養することが推奨されます。供養を通じて、亡くなった赤ちゃんの霊が迷わずに成仏し、家族が気持ちの整理をつけるための大切なプロセスです。

    死産や生まれてすぐ亡くなった場合の行政手続き

    赤ちゃんが生まれる前、もしくは生まれてすぐ亡くなった場合には、法的な手続きが必要です。手続きの内容は胎児の状況や亡くなった時期により異なります。

    1. 死産の場合:死産届の提出

    死産とは、妊娠12週目以降に胎児が亡くなることを指します。死産の場合、「死産届」を役所に提出しなければなりません。医師から発行される「死産証書」をもとに、通常は死産後7日以内に提出します。これにより、埋火葬許可証が発行され、火葬や埋葬の準備を進めることが可能です。

    2. 生まれてすぐ亡くなった場合:出生届と死亡届の提出

    もし赤ちゃんが一度生まれてから亡くなった場合は、「出生届」と「死亡届」の両方を提出する必要があります。出生届は生後14日以内、死亡届は死亡後7日以内_に提出し、医師の「出生証明書」と「死亡診断書」を添えて市区町村役場に届け出ます。

    行政の支援制度

    死産や生まれてすぐ亡くなった赤ちゃんに対する行政支援は、出生状況や死産のタイミングによって異なります。

    1. 死産の場合

    妊娠12週以降の死産では、出産に関連する支援(出産育児一時金や児童手当など)の対象にはなりません。しかし、健康保険に加入している場合は、「埋葬料」が支給されることがあります。埋葬料は5万円程度で、葬儀費用の一部を補助します。

    2. 生まれてすぐ亡くなった場合

    赤ちゃんが生まれてすぐ亡くなった場合は、通常の出産に関連する支援が適用されます。 ・出産育児一時金: 健康保険加入者は、赤ちゃんが生まれた場合に約50万円が支給されます。 ・児童手当: 出生届を提出することで、児童手当の一部支援を受ける可能性があります。詳細は役所に確認することをお勧めします。

    水子供養の手順と必要なもの

    水子供養を行う際は、まず寺院に相談し、供養の日程を決めます。供養の流れは寺院や地域によって異なりますが、一般的な手順は以下の通りです。

    1. 予約と準備

    供養を行う寺院を選び、供養の日程を予約します。必要な物品としてお線香やお花、お菓子や果物などのお供え物を準備します。

    2. 供養当日

    僧侶による読経が行われ、赤ちゃんの名前を唱え、祈りを捧げる時間が設けられます。合掌して心の中で赤ちゃんに語りかけることも大切です。

    3. 供養の後

    供養の証としてお守りや護符を受け取る場合があります。家庭で供養の品を安置し、水子の霊を見守る習慣もあります。

    葬儀の形式と心構え

    水子供養の際、葬儀は通常シンプルな形式で行われます。家族の気持ちや宗教観に基づいて、自由な形で行うことができます。

    家庭での簡易葬

    家族だけでお別れの儀式を行い、赤ちゃんへの感謝の気持ちを込めます。お花やおもちゃを棺に入れることもあります。

    直葬

    火葬のみを行い、慰霊は後日行うこともあります。費用や心の負担を抑えるための選択肢です。

    水子供養を行う寺院の選び方と費用

    水子供養を行う寺院は地域ごとに異なります。供養の形式や雰囲気、自分の気持ちに合う寺院を選びましょう。費用は一般的に5,000円〜3万円程度が相場です。特別な儀式や永代供養を希望する場合、さらに高額になることがあります。 例えば、千葉県木更津市の平野山高蔵寺(高倉観音)では、1霊につき1万円(回向書・御守り付き)で個別の水子供養を行っています。永代供養や20年間の遺骨預かり供養も提供され、丁寧な供養が可能です。

    水子供養の継続と家族の心のケア

    水子供養は、一度きりで終わらせるものではなく、定期的な供養が推奨されます。年に一度、命日やお盆に合わせて供養を行うことで、赤ちゃんの霊が安らかに成仏できるとされています。また、供養を通じて家族が心の平安を取り戻すことも大切です。特に、母親が抱える深い悲しみや喪失感をケアするために、カウンセリングや家族との対話が必要な場合もあります。

    まとめ

    水子供養は、亡くなった赤ちゃんへの感謝と追悼を込めた大切な儀式です。供養を通じて赤ちゃんの霊が安らかに成仏できるよう、家族が心を込めて取り組むことが重要です。行政手続きや支援制度についても、赤ちゃんが亡くなった状況に応じて適用されるものが異なりますので、寺院や役所、専門家への相談を行いましょう。

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