永代供養の費用はいくらかかる?種類とメリット・デメリットも解説

2025.1.20

  • お墓

永代供養とは?

永代供養とは、故人の遺骨をお寺や霊園などの管理者に託し、遺族や後継者に代わって永代にわたり供養を行ってもらう供養方法のことです。「永代」という言葉の通り、長期間にわたって遺骨が丁寧に管理され、法要や供養が行われる仕組みが特徴です。 従来の供養方法では、家族が代々お墓を守り、定期的に供養を行うのが一般的でした。しかし、近年では少子化や核家族化、さらにはライフスタイルの変化などにより、お墓の管理や供養を家族だけで継続することが難しい状況が増えています。このような背景から、管理者に供養を任せることができる永代供養が注目を集めています。 以下では、永代供養の具体的な内容と特徴をさらに詳しく見ていきます。

永代供養の基本的な仕組み

永代供養では、遺族がいなくなったり、墓の管理ができなくなった場合でも、管理者が責任をもって供養を継続してくれます。具体的には、以下のような仕組みが一般的です: 1.遺骨の管理 ・永代供養では、遺骨は寺院や霊園の専用施設(墓地、納骨堂、合祀墓など)で管理されます。 ・遺骨の埋葬場所や保管方法は、選択する供養形式によって異なります。 2.供養の実施 ・お寺や霊園が、一定の期間(一般的には33回忌まで)または永続的に故人の供養を行います。 ・供養の方法は、法要や読経などが中心です。 3.遺族の役割 ・永代供養では、遺族が直接供養や管理を行う必要はありません。そのため、後継者がいなくても供養が続けられます。 ・ただし、遺族がお参りや法要に参加することはもちろん可能です。

永代供養が選ばれる理由

永代供養が注目される背景には、現代の社会事情や人々の価値観の変化があります。以下は、永代供養が選ばれる主な理由です 1. 少子化・核家族化の影響 従来は「家族が代々お墓を守る」という考え方が一般的でした。しかし、少子化が進む現代では、子どもの数が減少し、祭祀(さいし)を継承する人がいないという家庭も少なくありません。また、核家族化によって親族が分散して暮らすことが多くなり、従来のように頻繁にお墓を訪れることが難しい状況も増えています。 2. ライフスタイルの変化 仕事や家庭の都合で故郷を離れて暮らす人が増えており、お墓の管理や供養のために実家や地元に頻繁に帰ることが難しいという現実があります。こうしたライフスタイルの変化により、「家族が直接お墓を守る」という従来の供養スタイルが現実的ではなくなっています。 3. 墓じまいの増加 「墓じまい」とは、従来のお墓を撤去し、遺骨を他の供養方法に移すことを指します。墓じまいをする理由としては、管理の負担軽減や、後継者がいないことなどが挙げられます。墓じまいを行った後の新しい供養先として、永代供養が選ばれることが増えています。 4. 費用面のメリット 従来の墓石を建てる形式のお墓は、購入費用だけでなく、年間管理費や法要の費用が発生します。一方で、永代供養は一括払いが一般的であり、長期的な費用負担を軽減できるため、経済的に合理的な選択肢として注目されています。

永代供養のメリットとデメリット

永代供養には多くの利点がありますが、従来のお墓と比べると異なる点も多く、慎重に検討することが大切です。以下では、永代供養のメリットとデメリットを具体的に見ていきます。 メリット 1.後継者がいなくても安心:永代供養では、管理者が責任をもって供養を行うため、遺族や後継者がいなくても安心です。 2.費用負担が軽減される:永代供養は、従来のお墓に比べて費用が抑えられるケースが多く、一括払いが主流であるため将来的な負担が明確です。 3.管理の手間がかからない:墓地の掃除や管理をする必要がないため、遠方に住む遺族や多忙な家族にとって大きな負担軽減となります。 4.選択肢が豊富:永代供養には、合祀墓や樹木葬、納骨堂など多様な供養スタイルがあり、ライフスタイルや予算に応じて選ぶことができます。 デメリット 1.個別性が薄れる:特に合祀墓の場合、遺骨が他の遺骨と一緒に埋葬されるため、個別性を重視したい方には向いていません。 2.お墓参りの習慣が変わる:永代供養の形式によっては、従来のお墓参りのような個別の場所を訪れることができない場合があります。 3.地域や宗派による制約:一部の地域や宗派では、永代供養を受け入れる施設が少ない場合もあります。

永代供養の種類と相場

永代供養にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や費用が異なります。代表的な供養形式には、複数の遺骨をまとめて供養する「合祀墓」、個別のスペースを確保できる「個別墓」、自然に還ることを目的とした「樹木葬」、そして屋内で遺骨を管理する「納骨堂」などがあります。それぞれの形式について、特徴や費用相場、さらに具体的なメリット・デメリットを詳しく解説します。

1. 合祀墓(ごうしぼ)

合祀墓は、複数の遺骨を一つの供養施設にまとめて埋葬する形式です。一人ひとりの遺骨のスペースが個別に確保されるわけではなく、他の故人の遺骨と一緒に供養されます。費用が非常に安いため、多くの人にとって手軽に利用できる供養方法とされています。 費用相場:5万円~30万円 特徴  ・遺骨を他の遺骨とまとめて供養する形式。  ・個別墓石やプレートがないため、コストが非常に抑えられる。  ・一度埋葬されると遺骨を取り出すことが難しい場合がほとんど。 メリット 1.費用負担が非常に少ない 合祀墓は永代供養の中でも最も経済的な選択肢です。10万円以下で利用できることも多く、経済的な事情を考慮する方に最適です。 2.後継者がいなくても安心 遺族や後継者が供養を続けられなくても、管理者が永代にわたって供養を行ってくれるため、安心感があります。 3.管理の手間が一切かからない 合祀墓は供養や清掃などの管理をすべて施設側が行うため、遺族は手間をかける必要がありません。 デメリット 1.個別性がなくなる 遺骨が他の遺骨と混ざって供養されるため、「個人を特別に供養したい」と考える方には向いていません。 2.遺骨を取り出せない 合祀墓に埋葬された遺骨は、基本的に一度埋葬されると取り出すことができなくなります。後から移動したり、別の供養方法に切り替えることは困難です。 3.墓参りの場所がわかりにくい 合祀墓は個別のお墓ではないため、具体的にどこに遺骨があるのかがわからなくなります。従来のお墓参りのような感覚は得られない場合があります。

2. 集合墓(しゅうごうぼ)

集合墓は、複数人で一つの供養施設を共有する形式ですが、合祀墓とは異なり遺骨が個別に管理されます。遺骨が他の遺骨と混ざらないように配慮されるため、合祀墓よりもプライバシーが重視されるスタイルです。また、一定期間は個別に保管されますが、契約期間が終了すると遺骨が合祀墓に移される場合があります。合祀墓と個別墓の中間的な位置づけとして、費用と個別性のバランスが取れた供養形式といえます。 費用相場:20万円~60万円 特徴  ・遺骨を個別に管理しつつ、複数人で供養施設を共有する形式。  ・合祀墓よりも個別性が高い。  ・遺骨の取り出しが可能な場合もある。  ・保管期間終了後は合祀される場合がある。 メリット 1.個別性が確保される 遺骨が他の人と混ざらないように管理されるため、「個別のお墓に近い形で供養したい」という希望に応えられます。 2.費用が比較的手頃 個別墓よりも費用を抑えつつ、一定の個別性を確保できるため、バランスの良い選択肢と言えます。 3.遺骨の取り出しが可能 遺骨が個別に管理されるため、必要に応じて取り出すことができる場合もあります。後から供養方法を変更する可能性がある場合にも適しています。 デメリット 1.合祀墓より費用が高い 合祀墓と比較すると、個別性を保つために管理コストが上乗せされるため、費用はやや高めになります。 2.完全な個別性ではない 一つの供養施設を共有するため、個別墓に比べるとプライバシーや専有性は劣ります。 3.一定期間後に合祀される 多くの場合、33回忌や17回忌までといった期間が設定されており、その後は合祀されます。そのため、長期間の個別保管を希望する場合には注意が必要です。

3. 個別墓(こべつぼ)

個別墓は、一人ひとりの遺骨に専用のスペースを確保する形式です。従来のお墓に近いスタイルですが、永代供養の特徴を持つことで、遺族の負担が軽減されます。 費用相場:50万円~150万円 特徴  ・遺骨が専用のスペースで管理される。  ・個人専用の墓石やプレートを設置できる。  ・従来の墓地に近い形で供養が行われる。 メリット 1.完全に個別の供養が可能 個人や家族ごとの専用スペースが確保されるため、プライバシーを重視した供養が可能です。 2.従来の墓地に近い形式 墓石や墓碑を設置できるため、一般的なお墓参りの感覚に近い供養スタイルを維持できます。 3.永代供養の安心感 従来の墓地と異なり、後継者がいなくても管理者が供養を継続してくれるため、将来的な負担がありません。 デメリット 1.費用が高額 個別墓は永代供養の中で最も費用が高く、初期費用が大きな負担になる場合があります。 2.維持費が発生する場合がある 場所によっては、永代供養料に加えて年間の維持費が別途必要になることがあります。 3.都市部では選択肢が少ない 土地の制約がある都市部では、個別墓の受け入れが少ない場合があります。

4. 樹木葬(じゅもくそう)

樹木葬は、遺骨を自然の中に埋葬し、木や花を墓標とする供養方法です。環境への配慮やエコ志向の高まりから注目されているスタイルで、自然と一体化する形が特徴です。 費用相場:5万円~150万円 特徴  ・自然環境に配慮したエコな供養方法。  ・墓石を使わないため、従来のお墓とは異なる形式。  ・埋葬場所は山林や公園の一角などが多い。 メリット 1.環境に優しい供養方法 土に還ることで自然との調和を実現できるため、エコ志向の方に人気です。 2.費用の幅が広い シンプルな埋葬形式から手の込んだデザインまで、希望に応じて選べるため、費用の柔軟性があります。 3.管理費がほぼ不要 樹木葬は墓石を使用しないため、維持管理の負担が少ない点が魅力です。 デメリット 1.従来のお墓参りが難しい 自然の中での供養スタイルのため、墓石を訪れる従来の「墓参り」の感覚とは異なります。 2.地域による制約がある 樹木葬が受け入れられている施設が限られている場合があります。 3.親族の理解が必要 樹木葬は従来の供養方法とは大きく異なるため、親族の同意が得られにくい場合があります。

5. 納骨堂(のうこつどう)

納骨堂は、建物の中に遺骨を収める形式の供養方法です。屋内に設置された個別のスペースに遺骨を保管するため、天候に左右されずに供養やお参りが可能です。 費用相場:10万円~150万円 特徴  ・遺骨を屋内に保管するため、快適な環境で供養ができる。  ・都市部で選ばれることが多い供養形式。  ・一定期間後に合祀される場合もある。 メリット 1.アクセスが便利 多くの納骨堂は都市部に立地しており、公共交通機関でアクセスしやすい点が魅力です。 2.天候に左右されない 屋内施設であるため、雨天や暑い日でも快適にお参りができます。 3.選択肢が豊富 個別のロッカー型や電子化されたモニュメント型など、多様なスタイルが選べます。 デメリット 1.保管期間が限定される場合がある 納骨堂によっては、一定期間後に遺骨が合祀墓へ移される場合があります。 2.建物の老朽化リスク 建物自体の寿命やメンテナンス状況によっては、施設の存続に不安が残る場合があります。 3.初期費用が高い場合がある 高級な納骨堂では初期費用が100万円以上かかる場合もあります。

各供養形式の費用まとめ

以下は、永代供養の代表的な供養形式について、費用相場や特徴を簡潔にまとめた表です。自分や家族に合った形式を選ぶ際の参考にしてください。

供養形式費用相場特徴
合祀墓5万円~30万円複数の遺骨をまとめて供養する形式。個別性がない。
集合墓20万円~60万円遺骨を個別に管理しつつ、複数人で共有する形式。一定期間後に合祀される。
個別墓50万円~150万円一人ひとりの専用スペースを確保する形式。従来のお墓に近いスタイル。
樹木葬5万円~150万円自然の中に遺骨を埋葬し、木や花を墓標とするエコ志向の供養形式。
納骨堂10万円~150万円屋内施設で遺骨を保管する形式。一定期間後に合祀される場合あり。

費用の内訳

永代供養の費用には、基本的な「永代供養料」だけでなく、いくつかの付帯費用が含まれることが一般的です。これらの費用は供養形式や施設によって異なりますが、主に以下のような項目が挙げられます。それぞれの内訳を詳しく解説します。

1. 永代供養料

永代供養料は、遺骨を管理し、永代にわたって供養を行うための基本的な費用です。この費用には、霊園やお寺が供養を継続するための維持管理費も含まれています。遺族に代わり施設側が責任を持って供養を続けてくれるため、後々の管理負担がありません。 相場:10万円~40万円 内訳のポイント ・法要や供養を行う際の費用(定期的な読経や法要の実施など)。 ・遺骨の管理費(施設内での保管や合祀のためのスペース確保など)。 ・設備維持費(霊園や納骨堂の管理に必要な費用)。

2. お布施

お布施は、お寺や僧侶に供養を依頼する際に渡す謝礼のようなものです。永代供養の契約時や開眼供養を行う際に必要となる場合が多いです。これとは別に、年忌法要などの際にお布施が発生することもあります。 相場:3万円~5万円開眼供養を含める場合は3万円~10万円程度内訳のポイント ・開眼供養や納骨式の際に僧侶へ渡す謝礼。 ・年忌法要など追加の供養を依頼する場合には別途費用が発生することもある。

3. 刻字料

刻字料とは、墓石やプレートに故人の名前や戒名(仏教名)を刻む際の費用です。永代供養では、個別墓や集合墓、樹木葬などで、遺骨の埋葬場所に故人の名前を記録するために必要になる場合があります。 相場:3万円前後 内訳のポイント ・墓石に名前や戒名、没年月日を刻むための作業費用。 ・樹木葬や納骨堂では、専用プレートや銘板に名前を刻むケースもある。

4. その他の費用

永代供養の形式や施設によっては、以下のような追加費用が発生することもあります。 (1) 墓石料 個別墓や集合墓で、墓石を新たに設置する場合に発生する費用です。墓石の種類やデザイン、サイズによって費用が大きく変動します。 相場:20万円~100万円(形式による) 内訳のポイント ・墓石そのものの費用(素材や加工の手間により価格が異なる)。 ・墓石の設置作業費用。 (2) 年間管理費 納骨堂や個別墓の場合、年間管理費が必要となるケースがあります。施設や管理内容によって金額は異なりますが、永代供養料に含まれていない場合には別途支払いが必要です。 相場:3,000円~1万円/年 内訳のポイント ・施設内の清掃費用や管理運営費。 ・遺骨の保管環境を維持するための費用(特に屋内型の納骨堂の場合)。 (3) 遺骨移送費用 既存のお墓から遺骨を移す場合には、遺骨の掘り起こしや移送にかかる費用が発生します。これは墓じまいを伴う場合に特に重要なポイントです。 相場:数万円~10万円 内訳のポイント ・遺骨の掘り起こし作業費用。 ・運搬用の専門業者への依頼費用。

地域・宗派による費用の差

永代供養の費用には、供養形式の違いだけでなく、地域や宗派による影響も見られます。地域では土地価格や運営コストが、宗派では供養に対する考え方などが費用に影響することがあります。本章では、地域と宗派それぞれに分けて、永代供養の費用差を詳しく解説します。

1. 地域による費用の差

永代供養の費用は、施設がある地域によって大きく異なります。都市部では土地や運営コストが高額になるため全体的に費用が高く、地方ではそれらのコストが抑えられるため費用が安価になる傾向があります。 都市部の永代供養費用 東京、大阪、名古屋などの大都市圏では、土地価格が非常に高く、施設運営コストも上昇するため、永代供養の費用が割高になります。また、都市部ではスペースの制約が大きいため、納骨堂や合祀墓といったコンパクトな供養形式が多く見られます。 都市部の永代供養費用の全体平均:50万円~150万円 都市部の特徴 1.費用が高い:土地価格や施設維持費が高額なため、全体的な費用が高くなる。 2.アクセス性が良い:駅近や公共交通機関で訪問しやすい場所に施設が集中している。 3.供養形式が効率的:納骨堂や合祀墓など、限られたスペースを活用した供養形式が多い。 地方の永代供養費用 地方(中小都市や郊外、山間部など)では、土地価格が安いため施設の運営コストが抑えられ、永代供養の費用が都市部より割安になる傾向があります。地方では広い土地や自然を活用した供養形式が多く、樹木葬や里山供養など、自然志向の供養形式も選ばれることが多いです。 地方の永代供養費用の全体平均:20万円~80万円 地方の特徴 1.費用が抑えられる:土地価格が安いため、全体的に安価で利用可能。 2.自然を活用した供養形式:広い土地を活かし、樹木葬や個別墓が多い。 3.アクセスの不便さ:都市部と比べると公共交通機関でのアクセスが難しい施設もある。

2.宗派の影響

永代供養は、宗派によって大きな費用差はありません。ただし、宗派ごとの供養に対する考え方の違いによって、必要となる費用が多少異なる場合があります。特に、戒名の費用や法要の実施頻度が費用に影響することがあります。 (1) 宗派ごとの供養の考え方 浄土宗・曹洞宗・真言宗など ・永代供養が一般的に受け入れられており、多くの寺院で実施されています。 ・費用は寺院ごとに異なるものの、全体的な価格帯は統一的。 浄土真宗 ・浄土真宗では「供養」という概念が薄く、念仏を通じて故人を偲ぶことが主な教えとなっています。そのため、永代供養の形式にはこだわらない場合も多いです。ただし、永代供養墓がある浄土真宗の寺もあります。 (2) 宗派による費用の差が生じるケース 戒名の費用 ・仏教では、故人に戒名(仏教名)を授けるための費用が発生しますが、戒名を必要としない宗派や形式ではこの費用がかかりません。 相場:3万円~50万円(戒名の格式による) 法要の回数と規模 ・宗派によって法要の実施頻度や内容が異なります。年忌法要の頻度が多い場合、その分費用が加算されることがあります。

永代供養の費用は誰が支払う?

永代供養の費用は、契約先や家庭の状況によって異なるものの、基本的には祭祀財産を継承する祭祀継承者が負担することが一般的です。ただし、家族や親族が協力して支払う場合や、生前に故人自身が費用を準備しているケースも増えています。以下に、永代供養の費用負担について詳しく解説します。

1. 費用の支払い方法

永代供養の費用は、契約時の説明に従って支払うのが基本です。契約先(寺院や霊園)によって支払い方法が異なるため、事前に確認することが重要です。 主な支払い方法 1.当日手渡し ・契約時や供養当日に直接現金を手渡す方法。 ・特に寺院で契約する場合は、手渡しが一般的なケースも多いです。 2.後日銀行振込 ・契約後に指定された銀行口座に費用を振り込む方法。 ・銀行振込の場合、領収書や明細書が発行されることが多いため、記録を残しやすい利点があります。 確認ポイント ・支払い方法については、契約時に寺院や霊園から必ず説明があるため、事前に不明点を確認しておくことが大切です。 ・特に大きな金額を支払う場合は、領収書や契約書の写しを確実に保管しておきましょう。

2. 費用を負担するのは誰か?

永代供養の費用は、お墓を管理する責任を持つ祭祀継承者が支払うのが一般的です。しかし、家庭の事情や契約内容によって費用負担の方法が異なる場合もあります。 (1) 祭祀継承者が支払うケース 祭祀継承者とは、遺骨やお墓などの「祭祀財産」を継承する役割を担う人のことを指します。民法第897条によって、祭祀財産は通常の遺産相続と異なり、遺族間で話し合って継承者を決定します。 祭祀継承者の役割 ・遺骨やお墓を管理し、供養を行う責任を負う。 ・永代供養墓の費用や関連する費用を負担するのが一般的。 (2) 家族や親族で分担するケース 近年では、永代供養の費用を祭祀継承者一人で負担せず、家族や親族が協力して支払うケースも増えています。これは、供養を家族全体で支えるという考え方が広がっているためです。 分担例 ・親族全員で費用を均等に負担する。 ・経済的な状況に応じて、一部の家族が多めに負担する。 (3) 故人自身が生前に支払うケース 永代供養墓は、生前に契約・購入することが可能なため、故人自身が生前に費用を支払うケースもあります。これにより、遺族への負担を軽減し、トラブルを防ぐことができます。 生前契約のメリット ・故人の希望に基づいた供養が確実に行える。 ・費用負担が事前に済んでいるため、遺族の金銭的負担が軽減される。 ・生前に契約した内容を家族に共有することで、供養方法に関する意見の食い違いを防ぐ。

3. 生前契約で支払う際の注意点

永代供養墓を生前に契約する場合、以下の点を確認しておくと安心です 1.費用に含まれる内容を明確にする ・契約内容を確認し、永代供養料に含まれるサービス(供養、管理、法要など)を具体的に把握しておきましょう。 ・刻字料や追加の法要費用が別途必要かどうかも確認しておくと安心です。 2.家族に契約内容を共有する ・生前契約の内容や費用を家族に伝えておくことで、契約後のトラブルを防ぐことができます。 ・契約書の写しを家族にも渡しておくと良いでしょう。 3.信頼できる契約先を選ぶ ・長期にわたり供養を行うため、信頼できる寺院や霊園を選ぶことが重要です。 ・契約先の評判や運営体制を事前に確認しておきましょう。

墓じまいして永代供養をする際の費用

墓じまいとは、お墓を撤去し、行政で必要な手続きを行い、永代供養先に遺骨を納めるまでの一連の流れを指します。遺骨を適切な供養先に移すことが法律で義務付けられているため、単にお墓を撤去するだけでは墓じまいは完了しません。 墓じまいにかかる費用は約30万円〜200万円が相場です。この費用は、お墓の規模や条件、新たな永代供養先の選択肢によって変動します。以下に詳しく解説します。

墓じまいにかかる費用の内訳

1. 墓石撤去費用 墓石を解体し、更地に戻す費用です。石の大きさや量、墓地の立地条件、作業の難易度によって費用が異なります。 ・相場:1㎡あたり10万円~20万円程度 ・注意点:工事の難易度によって追加費用が発生する場合があるため、複数の石材店に見積もりを依頼するのが一般的です。 2. 遺骨の取り出し費用 埋葬されている遺骨を取り出す際の費用です。墓地の立地条件や作業内容によって異なります。 相場:数万円~10万円程度 3. 閉眼供養のお布施 墓石を撤去する前に、「閉眼供養」を行います。僧侶に依頼してお墓に宿っている魂を抜き、感謝の意を込めてお布施を渡します。 相場:1万円~10万円程度 4. 離檀料(必要な場合) お墓が寺院の檀家として管理されている場合、檀家を抜ける際に「離檀料」を支払う必要があります。これは法律上の義務ではなく、お寺との話し合いで金額が決まります。 相場:数万円~数十万円 5.書類の申請費用 墓じまいを進める際には、必要な書類を取得するために手数料が発生します。金額は自治体や管理者によって異なりますが、いずれも少額です。 相場:数百円~約1,500円 必要な書類 ・埋蔵証明書 現在のお墓の管理者に依頼して発行してもらいます。 ・受入証明書 新しい供養先(霊園や寺院)から発行してもらいます。 ・改葬許可証 埋蔵証明書と受入証明書を揃えて、自治体に申請して発行してもらいます。 6. 新しい納骨先の費用 墓じまい後に遺骨を納める新しい永代供養先を準備する費用です。永代供養の形式(合祀墓、樹木葬、納骨堂など)によって差はありますが、一般的な相場は以下の通りです。 相場:約5万円~150万円

墓じまいの総額の目安

墓じまい 費用

以下は、墓じまいの費用と永代供養を合わせた総額の目安です ・お墓の撤去:約20万円~50万円行政での手続き:数百~約1500円新たな納骨先:約5万円~150万円 総額:約30万円~200万円 永代供養の費用は、選択する供養形式によって異なります。たとえば、合祀墓(5万円~30万円)や樹木葬(20万円~80万円)は費用を抑えやすい選択肢です。一方、個別の納骨堂や集合墓は、10万円〜150万円程度の費用がかかります。

まとめ

永代供養を選ぶ際には、家族や親族と十分に話し合い、費用や供養形式、契約内容を慎重に確認することが重要です。また、供養を依頼する施設や寺院が信頼できるかどうかも事前にしっかり調査しましょう。費用の内訳や追加費用の有無を明確にし、供養形式が自身や家族の価値観に合致しているかを確認することで、安心して任せられる永代供養を選択できます。後悔のない供養方法を選び、大切な人への思いを長くつないでいきましょう。

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