【宇治市】地域社会に貢献する人材を目指そう! 宇治市高齢者アカデミーをご紹介

2025.2.21

  • 終活

①はじめに

近年、「学び直し」や「生涯学習」という言葉を耳にする機会が増えています。全国の自治体でも、市民が学びを深め、地域とのつながりを強めるための取り組みが進められています。京都府宇治市でも、高齢者の皆さんが学びを通じて新たな可能性を見出し、地域に貢献できる場として「宇治市高齢者アカデミー」が開講されています。 宇治市高齢者アカデミーでは、京都文教大学・京都文教短期大学と連携し、大学での学びを通して知識を深めるだけでなく、世代を超えた交流や地域活動への参加を促進しています。この記事では、高齢者アカデミーの実際の講義やゼミ活動、参加者の声を通じて、その魅力をお伝えします。「学びを通じて地域とつながりたい」「自分の住む街で新しいことに挑戦したい」と感じている方にとって、きっと参考になるはずです。 それでは、宇治市高齢者アカデミーの魅力に迫っていきましょう!

②宇治市高齢者アカデミーについて

宇治市高齢者アカデミー 授業風景

宇治市高齢者アカデミーは、生涯学習の一環として、高齢者を対象に学習機会を提供することにより、高齢者の社会参加、生きがいづくりに寄与するとともに、地域社会に貢献する人材養成を目的として、平成25年9月より宇治市・京都文教大学・京都文教短期大学が連携して開講しています。 これまで約200名の方にご入学いただき(令和6年度末時点)、アカデミー生となられた皆さまは自ら進んで新しい情報や知識を習得され、これまで積み上げてこられた知識やご経験をさらに深めるとともに、京都文教大学・京都文教短期大学の学生や他のアカデミー生との新たな交流の輪を広げられています。 卒業生には、生涯現役・人生100年時代の希望の星として、高齢者アカデミーで深められた知識や経験、様々な方との出会いを糧に、今後とも地域社会でご活躍されますことに大きな期待を寄せております。また、高齢者アカデミーで学ばれたことが、皆さまにとってかけがえのない財産となれば幸いです。

③高齢者アカデミーの活動内容

宇治市高齢者アカデミー 授業風景

在学期間は9月下旬〜約2年間となり、2年間で4科目を京都文教大学・京都文教短期大学にて現役の大学生・短大生と一緒に履修します。 大学の1年間は、【春学期】【秋学期】の2学期制からなり、「宗教・健康・教養」「経済・経営・公共政策」「観光・地域デザイン・国際文化」「メディア・社会心理」「臨床心理」「教育福祉」の科目群の中から、関心がある授業を1学期につき1科目(全15回/1回90分)を履修します。学期末には筆記試験やレポート試験等がありますが、必ずしも試験に合格する必要はありません。ただし、これまでのアカデミー生の皆さんはチャレンジされる方も多いですので、ぜひ積極的に挑戦してください。 また、月1回のゼミ活動(アカデミーアワー)では、学びを通して仲間の輪を広げ、新たな学びにチャレンジする機会を創造し、自他ともに幸せを感じられる共生(ともいき)社会の実現を目指して、「宇治」や「地域」について学びながら、他のアカデミー生や現役の大学生・短大生との交流を図っています。 最終学期では、2年間の集大成として、卒業研究発表を担当教員と一緒に考えます。卒業式前には発表会も実施し、学生とともにキャンパスで学んできたアカデミー生の2年間の学びの成果を発表します。卒業生の中には、この卒業研究をきっかけに、宇治市役所8階の喫茶スペースにて、卒業生の仲間とともに高齢者の生きがいづくりや居場所づくりを目的としたカフェを営業されています。 同世代はもちろん、現役大学生などの若い世代とも交流したいという方、大学で自分の興味のあることを学びたいという方、これからお住まいの地域で何か地域貢献したいと思っている方皆さまに、ぜひご入学いただきたいです。

④ゼミ活動の活動内容

宇治市高齢者アカデミー 授業風景

「アカデミーアワー」(ゼミ活動・ホームルーム活動)は、「多世代共育」をモットーとし、次の3点を目的にアカデミー生の担任教員が主となり開催しています。 (1)アカデミー生同士・アカデミー生と大学生との交流 (2)地域について学ぶ (3)学びをアウトプットする共に学ぶ」ことを宇治市高齢者アカデミー事業では大切にしています。そのため、アカデミーアワーでは、アカデミー生同士の交流機会を設けています。最初は自己紹介から始まり、グループワークを通して、徐々に関係性を深めていきます。また「多世代で共に学ぶ」ことも、本事業では大切にしています。昨今、若者と高齢者が日常的に接する機会が著しく減少していると言われ、若者も高齢者もどのように接すればいいのか不安に感じられている方もおられます。アカデミーアワーでは、若者と高齢者をつなぐ機会として、「おしゃべり会」「お茶会」「ワークショップ・まち歩き」等を行い、共に学ぶ場を創出しています。 地域社会には様々な課題がある一方で、多様な地域資源も見受けられます。アカデミーアワーでは、「地域について学ぶ」ことを目的に、まち歩き(フィールドワーク)を行い、地域の魅力や資源を発見する方法を体験します。フィールドワーク先はアカデミー生と相談し、決定します。これまでに、「中宇治地域の観光や文化にふれる」、「宇治と京都市とを比較する」、「小倉地域を知る」、「宇治の史跡・文化財めぐり」、「宇治のお茶屋さんの調査」、「こども食堂へのインタビュー」等を行いました。 学んだことを様々な形で「アウトプット」することをアカデミーアワーでは目指しています。そのひとつに、アカデミー生自身で企画立案・実施することがあります。例えば、アカデミー生同士のまち歩きや勉強会、ハイキング等の交流会をはじめ、地域のお子さんを対象とした催し、キャンパス内での畑づくりなど様々な形で実践されています。また2年間の学びの成果として、卒業研究・卒業活動に取り組まれています。

⑤参加者の声

・退職後に家庭以外の場所で”何かしたいなあ”と思っていたところ、宇治市高齢者アカデミーを知り、受講することを決めました。最初は緊張しましたが徐々に慣れていくことで、自分から動いて様々な体験をすることが出来ました。そうやって更に興味や関心が芽生えて、仲間とも出会い、充実した時間を過ごしています。 ・仕事一筋の生活だったため地域とのつながりが薄く、様々な人と関わりたいと思い受講しました。学生さんの中に居ることが心地よく、学生さんにも積極的に話しかけていました。キャンパスライフの中でコミュニケーションの面白さを実感し、卒業後は健康長寿サポーターの登録や高齢者の居場所のサポーター、生活訪問支援に携わっています。人と話すことで相手も自分も元気に!皆さんもアカデミーで交流し「笑顔」をシェアしましょう! ・久々の学校生活なので、授業の受け方や過ごし方など、受講前は不安がありました。最初は戸惑うことも多かったのですが、アカデミー担当職員さんが、教室の場所や課題の提出方法、施設の利用など、教えていただけるので、「困ったら連絡すればいい」と安心して過ごしています。 ・アカデミー生になって、良かったことは、「人との出会い」。1人では及び腰になることでも、学友と一緒だと気軽にトライできます。キャンパス内で畑づくりをしたり、「知らない宇治」をテーマにまち歩きを行ったり、イベントに参加したり等、アカデミー生の仲間と共に様々な体験をしました。やらないで後悔するなら先ず一歩踏み出してみる!そんな気持ちで2年間。学業もさる事ながら人生の学びを教えてもらったと思っています。皆さんもアカデミー生になって楽しんでください。 ・新しいことを知れば、色々な可能性が広がります。今、授業で学んだことを活かし、地元のまちの活性化に取り組んでいます。なにかひとつぐらい形に出来そうで、わくわくします。講義では若い学生と一緒に勉強します。扱いは一緒ですが、それが楽しいんです。若い学生と同じように可能性があると思ってもらえているのですから。ここでは、何かやってみたいと言えば応援してくれます。一歩踏み込めば、懐かしくて新しくて色々と学べる世界が待っています。 ・アカデミーでは様々な刺激を受ける機会がありました。そのひとつに授業があります。現在も続けている宇治の作業所でのボランティア活動は授業がきっかけで始めることとなりました。他にも大きな刺激は、アカデミー生の仲間です。人生経験が豊かなので、各々の想いや考え、活動を聞き、”私もやってみよう””私はこう思う”と考える機会が増え、新たな世界が広がりました。皆さんもアカデミーに入学して、ぜひ大いに刺激を受けてください。 ・学生さんと一緒に課題に取り組み、発表したことも印象的でした。発表資料の作成を通した若い方との触れ合いは貴重な経験となりました。次に受講したのは「色彩論」です。こちらは大講義で"色はどのように見えるのか”、今まで考えたことがありませんでしたので、知的好奇心が刺激されました。先生方や職員の方もサポートしてくださって、安心してキャンパスライフを過ごすことができました。 ・若い人の中に交じって、一緒に授業を受けることは、最初は少し気後れしますが、すぐに慣れてきます。当たり前ですが若い学生さんに囲まれることになるので、その空気感をとても新鮮に感じます。授業の他にも、アカデミーアワーや公開講座等で、様々なことを学ぶ機会があります。少しでも興味や関心を持たれた方は、宇治市高齢者アカデミーに入学されたらいかがでしょうか。きっと学ぶことが楽しいことだと実感できるはずです。 ・アカデミー生の仲間と一緒に「ともいきカフェ 遊々」を始めました。"高齢者が社会参加できる場”を増やすことが重要と考え、「高齢者の居場所」に関心をもつメンバーと一緒に卒業研究の一環として、就労の場と居場所づくりとしてカフェを試験的に開きました。カフェを通して、私たちも元気になり、お客さんも元気になれば、宇治のまち全体も元気になり、声を掛け合う顔見知りが増えれば、笑顔溢れるまちになると思います。 ・高齢化が進む中で、高齢者が集える場所が大事だと思い、サロン活動に携わっています。地域には認知症の方やメンタルに不調がある人など、"困り事を抱えている人”もおられます。そういった方達は、孤立しがちで、周囲の理解やサポートを必要とされています。支援を求めている人と地域の人、そして自分が学んだことをつなげていき、宇治のまちに住んでいる人たちのために、自分ができることを続けたいと思います。

⑥参加方法など詳細

1.対象者: ①宇治市に居住し、かつ住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)の規定に基づき宇治市に登録されている満65歳以上(9月1日現在)の方のうち、宇治市・京都文教大学・京都文教短期大学において相当の学力があると認めた者 ②2年間継続的に通学し、科目の履修ならびに「アカデミーアワー」への参加が見込める者 2.申し込み方法: 出願期間中に、宇治市長寿生きがい課へ出願書類を提出。 (出願期間は、市政だより6月1日号に掲載) 3.費用: 学期ごとに15,000円 (正規受講料は40,000円。宇治市から15,000円、京都文教学園から10,000円の助成。選考料・登録料は免除。教材費は受講者負担) 4.注意事項: 定員を40名までとし、出願書類及び面接により総合的に判定します。 面接日時は、出願期間後に案内いたします。

⑦終わりに

今回、宇治市高齢者アカデミーを取材し、地域とつながる学びの場がどれほど多くの人の人生を豊かにしているのかを実感しました。受講者の皆さんが、「学ぶ楽しさ」「人とつながる喜び」を感じながら充実した日々を過ごしていることが、とても印象的でした。 宇治市高齢者アカデミーのような生涯学習の場は、全国のさまざまな自治体でも運営されています。「地域のことをもっと知りたい」「新しい知識を身につけたい」「同じ興味を持つ人と交流したい」と思ったら、ぜひお住まい自治体の広報誌やホームページをチェックしてみてください。。あなたの街にも、きっと素敵な学びの場があるはずです!

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