納骨堂とは?種類・費用・他の供養方法との違いを詳しく解説

2025.2.18

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近年、従来のお墓に代わる供養の形として「納骨堂」を選ぶ人が増えています。都市部を中心に普及が進んでおり、管理の負担が少なく、費用も比較的安価であることから、多くの方に支持されています。しかし、納骨堂にはさまざまな種類があり、契約内容や供養の方法、費用も施設によって異なります。 本記事では、納骨堂の基本情報から種類ごとの特徴、費用、契約のポイント、他の供養方法との違い、さらには納骨堂を選ぶ際の注意点まで詳しく解説します。納骨堂の利用を検討している方や、お墓の維持管理に不安を感じている方にとって、役立つ情報をお届けします。

納骨堂の基本情報

納骨堂とは

納骨堂とは、故人の遺骨を安置するための施設で、一般的には屋内に設置されていることが多いです。お墓と同じように遺族が故人を供養する場所ではありますが、墓石を建てる必要がなく、管理の手間も少ないという特徴があります。 納骨堂は、次のような人に特に適した供養の方法とされています。 ✅ お墓を継ぐ人がいない方 ✅ 墓石の管理や掃除が負担に感じる方 ✅ 遠方にお墓があり、お参りが難しい方 ✅ 費用を抑えて供養をしたい方 また、納骨堂の多くは「永代供養」が可能であり、家族がいなくなった後も管理を続けてもらうことができます。このため、墓じまい後の新たな供養方法としても注目されています。

一般墓との違い

納骨堂と従来のお墓(一般墓)の最大の違いは、「屋内施設であることが多い」という点です。 一般のお墓は屋外にあり、墓石を建て、遺骨を地中に埋葬する形をとります。一方で、納骨堂は屋内の施設内に骨壺を安置する形であり、施設ごとに設けられた供養の方法に従って管理されます。 以下に、納骨堂と一般墓の主な違いを比較しました。

納骨堂一般墓
設置場所屋内屋外
費用比較的安価(10万円〜150万円)高額(100万円以上が一般的)
管理の手間ほぼ不要草むしり・掃除が必要
お参りのしやすさ屋内なので天候に左右されない雨天時などは困難
承継者の必要性不要(永代供養が可能)必要(家族で管理)

墓じまいと納骨堂の関係

近年、「墓じまい」を考える人が増えています。墓じまいとは、先祖代々の墓を撤去し、遺骨を他の供養方法へ移すことを指します。 墓じまいが増えている理由には、以下のような背景があります。 お墓を継ぐ人がいない(少子高齢化・核家族化の影響) 遠方の墓参りが負担になる(交通の便が悪い) お墓の維持管理が難しくなった(草むしり・清掃の手間) 費用負担が大きい(墓石の維持費や管理費が高額) このような事情から、墓じまいをした後、より管理の負担が少なく、永代供養が可能な「納骨堂」へ遺骨を移すケースが増えています。納骨堂は、墓じまい後の供養先としても適しており、特に都市部では選ばれることが多くなっています。

納骨堂が選ばれる理由

納骨堂が選ばれる理由には、さまざまな要因がありますが、特に都市部での普及が進んでいるのには大きな背景があります。 都市部の事情 都市部では、土地の確保が困難であり、一般墓を購入するための費用が高額になる傾向にあります。そのため、限られたスペースに多くの遺骨を安置できる「納骨堂」が需要を伸ばしています。 また、都市部に住む人は、仕事や生活の都合上、お墓の管理が難しいケースが多いため、管理が不要な納骨堂を選ぶ人が増えています。 従来のお墓と異なる供養スタイル 従来の「お墓」といえば、石碑を建て、墓地に遺骨を埋葬するのが一般的でした。しかし、納骨堂では、以下のような新しい供養スタイルが採用されています。 ・屋内での供養が可能(天候に左右されない) ・施設によっては、自動搬送式など最新の技術を導入 ・生前に契約し、自分で供養方法を決めることができる 特に「生前契約」が可能である点は、近年の終活ブームとも相まって人気を集めています。 遺族の負担軽減 納骨堂には、遺族の負担を軽減する多くのメリットがあります。 ・管理が不要 → 掃除や草むしりの必要なし ・アクセスが良い → 駅近の施設が多く、お参りしやすい ・費用が抑えられる → 墓石を建てるより安価 特に、将来的にお墓の管理を続けることが難しいと感じている方にとって、納骨堂は非常に魅力的な選択肢といえます。

納骨堂のメリット・デメリット

納骨堂は、従来の一般墓と比べてさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。納骨堂を検討する際には、メリットとデメリットをしっかり理解し、自分や家族にとって最適な供養方法を選ぶことが大切です。 ここでは、納骨堂の具体的なメリットとデメリットを詳しく解説します。

メリット

納骨堂には、以下のようなメリットがあります。

納骨堂のメリット

費用が比較的安い(一般墓に比べて経済的負担が軽い) 管理の手間がかからない(清掃や草むしり不要) アクセスが良く、お参りがしやすい(駅近の施設が多い) 屋内型のため、天候に左右されず快適にお参りできる 永代供養が可能で、承継者が不要(無縁仏にならない安心感) それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。 費用が比較的安い 一般墓(墓石を建てるお墓)を購入する場合、墓地の購入費用や墓石代がかかるため、最低でも100万円以上の費用がかかることが一般的です。 一方で、納骨堂は土地を購入する必要がなく、費用の相場は10万円〜150万円程度と比較的安く済みます。特に「合祀型納骨堂」や「位牌型納骨堂」は費用を抑えられるため、経済的な理由から納骨堂を選ぶ人も増えています。 管理の手間がかからない 納骨堂の多くは、施設の管理者が清掃や維持を行ってくれるため、家族は定期的に訪れるだけでよいのが魅力です。 一般墓の場合、墓石の掃除や草むしりが必要ですが、納骨堂は屋内施設のため、管理の手間がほぼ不要です。特に高齢者や遠方に住んでいる遺族にとって、管理の負担が軽減される点は大きなメリットです。 アクセスが良く、お参りしやすい 納骨堂は、駅から近い場所に設置されることが多く、アクセスが便利です。一般墓は郊外の墓地にあることが多く、車が必要な場合もありますが、納骨堂なら公共交通機関で行けるケースが多いです。 また一部の納骨堂では、早朝から夜遅くまでお参りが可能な施設もあり、忙しい方でも気軽に立ち寄ることができます。 屋内型のため、天候に左右されず快適にお参りできる 一般墓は屋外にあるため、雨の日や雪の日はお参りが大変ですが、納骨堂は屋内にあるため、天候を気にせず快適にお参りできるのがメリットです。 また最近の納骨堂は、エレベーターやスロープを完備したバリアフリー設計の施設が多く、高齢者や車椅子の方でも安心して利用できます。 永代供養が可能で承継者が不要 納骨堂の多くは、「永代供養」が可能です。これは、家族がいなくなっても、施設側が供養を続けてくれる仕組みです。一般墓では、後継者がいない場合、無縁墓となってしまう可能性がありますが、納骨堂なら永代供養を申し込めば無縁仏になる心配がありません。 「子供にお墓の管理の負担をかけたくない」という理由で、納骨堂を選ぶ人も増えています。

デメリット

納骨堂には多くのメリットがありますが、一方でデメリットもあります。納骨堂を選ぶ際には、以下のような点にも注意が必要です。 利用期間に制限がある場合がある 個別供養が難しい場合がある 最終的に合祀されることが多い 線香や生花を供えられないケースもある 利用期間に制限がある場合がある 納骨堂の契約には、「個別安置の期間が決められている」ケースが多く、例えば「33年間は個別安置、その後合祀」といった形になります。 契約の際には、「何年間、個別安置されるのか?」をしっかり確認し、希望に合った納骨堂を選ぶことが重要です。 個別供養が難しい場合がある 納骨堂では、一般墓のように個別で法要を行うことが難しい場合があります。多くの施設では、合同での供養が基本となります。 最終的に合祀されることが多い 納骨堂の多くは、一定期間後に合祀されるルールがあります。合祀を避けたい場合は、「長期間の個別安置が可能か?」を確認することが大切です。 線香や生花を供えられないケースもある 最近の納骨堂では、火事防止のため、お線香や生花を供えられない施設が増えています。 代わりに、電子式のローソクや線香を使う施設もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

納骨堂の種類と特徴

納骨堂にはさまざまな種類があり、施設ごとに異なる特徴を持っています。契約形態や遺骨の安置方法、供養の仕方などが異なるため、自分や家族の希望に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、主な納骨堂の種類とその特徴について詳しく解説します。

納骨堂の主な種類

納骨堂は、大きく分けて以下の5種類に分類されます。 ロッカー型納骨堂 ロッカー型納骨堂は、その名の通りロッカーのような収納スペースに骨壺を納めるタイプの納骨堂です。比較的コンパクトなスペースで管理が可能なため、費用を抑えられるのが特徴です。 特徴 ・個別の収納スペースに骨壺を安置 ・1区画に1体または2体まで収納可能 ・スペースが限られているため費用が比較的安い ・シンプルな供養が可能 初期費用相場 ・20万円〜80万円程度 ・永代供養を付ける場合は+10万円〜30万円 このタイプは、費用を抑えつつ個別に遺骨を安置したい方に適しています。 仏壇型納骨堂 仏壇型納骨堂は、個別の仏壇スペースを設け、遺骨を安置する形式です。仏壇の前で手を合わせ、お線香を焚くことができる施設も多く、一般のお墓に近い供養スタイルを取れるのが特徴です。 特徴 ・仏壇の内部に骨壺を収納 ・お線香やお花を供えることができる ・家族単位での契約が多い 初期費用相場 ・50万円〜150万円程度 ・仏壇のデザインや大きさによって価格が異なる 仏壇型納骨堂は、従来のお墓に近い形で供養をしたい方や、家族単位での供養を希望する方に適しています。 自動搬送式納骨堂 自動搬送式納骨堂は、ICカードやID認証を使用して、遺骨を参拝スペースまで自動で運ぶシステムを備えた最新型の納骨堂です。 特徴 ・ICカードをかざすと、自動的に遺骨が参拝室へ運ばれる ・お参りスペースが快適でプライバシーが守られる ・管理がしやすく、維持費も比較的安い 初期費用相場 ・80万円〜150万円程度 このタイプは、最新の設備を利用したい方や、プライバシーを重視する方に適しています。 位牌型納骨堂 位牌型納骨堂は、遺骨を合祀墓などに安置し、納骨堂には位牌のみを設置するタイプです。 特徴 ・位牌を個別に安置し、遺骨は合祀される ・省スペースで供養できる ・費用が安く抑えられる 初期費用相場 ・10万円〜20万円程度 このタイプは、特に費用を抑えたい方や、遺骨の管理を寺院や霊園に完全に任せたい方に適しています。 合祀型納骨堂 合祀型納骨堂は、複数の遺骨を一緒に安置する形式の納骨堂です。 特徴 ・遺骨を他の方と一緒に供養する ・永代供養が基本 ・費用が最も安い 初期費用相場 ・5万円〜30万円程度 合祀型納骨堂は、供養を続けられない方や、できるだけ費用を抑えたい方に適しています。

経営母体別の納骨堂の違い

納骨堂の運営母体によっても、特徴や契約内容が異なります。ここでは、主な運営母体ごとの違いについて解説します。 寺院運営の納骨堂 特徴 ・寺院が管理・供養を行うため、安心して利用できる ・宗教・宗派に制限がある場合がある ・法要や供養のスケジュールが決まっている メリット ・伝統的な供養を行える ・寺院との信頼関係を築ける デメリット ・檀家制度への加入が必要な場合がある ・費用が比較的高いことがある 公営納骨堂 特徴 ・市町村や自治体が管理するため、費用が安い ・宗教・宗派の制限がない場合が多い ・申し込みに条件(居住地制限など)がある場合がある メリット ・費用が安価(数万円〜数十万円) ・公的機関の管理なので安心感がある デメリット ・申し込みのハードルが高い(抽選制のことも多い) ・利用できる地域が限定される 民間企業運営の納骨堂 特徴 ・企業が経営し、商業施設内に設置されることもある ・宗教・宗派の制限がない ・施設ごとに独自の供養方法を提供している メリット ・立地が良く、設備が充実している ・最新の設備(自動搬送式など)が導入されている デメリット ・永続的な管理に不安がある(運営元が変わる可能性) ・費用が比較的高い

納骨堂を選ぶ際のポイント

納骨堂を選ぶ際には、費用や供養の方法、施設の設備など、さまざまな要素を考慮する必要があります。一度契約すると長期間利用することになるため、後悔しないように慎重に選びましょう。 ここでは、納骨堂を選ぶ際に確認すべきポイントと、納骨堂の利用が向いている人について詳しく解説します。

納骨堂選びの重要ポイント

納骨堂を選ぶ際には、以下のポイントを事前に確認することが大切です。 立地(アクセスのしやすさ) 費用(初期費用・管理費・永代供養料) 契約内容(利用期限・永代供養の有無) 設備や環境(屋内型・個別参拝スペースの有無) 宗教・宗派の制限の有無 それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。 立地 納骨堂は、お参りのしやすさを考慮して選ぶことが重要です。特に高齢の家族がいる場合は、徒歩や公共交通機関を利用して通いやすい場所にあるかを確認しましょう。 ・駅から徒歩圏内か? ・バスやタクシーで行けるか? ・駐車場は完備されているか? ・都市部の納骨堂 → 駅近でアクセスが良いが、費用が高め ・郊外の納骨堂 → 費用は安めだが、アクセスが悪いことが多い お参りの頻度を考慮しながら、家族にとって通いやすい場所を選ぶことが大切です。 費用 納骨堂の費用は、「初期費用」「管理費」「永代供養料」の3つに分かれます。これらの費用を事前に確認し、予算に合った納骨堂を選びましょう。 ・管理費不要の納骨堂を選ぶ → 永代供養付きなら維持費なし ・合祀型を選ぶ → 個別安置よりも格安 ・公営納骨堂を利用する → 申し込み条件を確認 事前にしっかりと費用を確認し、契約内容を理解しておくことが重要です。 契約内容 納骨堂には、「一定期間は個別安置し、その後合祀する」という契約が多く見られます。たとえば、「33年間個別安置し、その後合祀される」といったケースです。 ・個別安置の期間(何年後に合祀されるのか?) ・永代供養がついているか? ・家族で利用できるか?(夫婦・親子で同じ納骨堂を使えるか?) 設備や環境 納骨堂には、屋内型と屋外型があります。 ・屋内型 → 天候に左右されず快適にお参りできる ・屋外型 → 一般墓に近いスタイル また、参拝スペースが個別に設けられているかも重要なポイントです。 ・個室の参拝スペースがあるか? ・バリアフリー対応か? ・手ぶらでお参りできるか?(お供えセットの貸し出しなど) 特に高齢の方がお参りする場合は、エレベーターやスロープがあるかも確認しましょう。 宗教・宗派の制限の有無 納骨堂には、宗教・宗派の制限がある場合と、宗派を問わず誰でも利用できる場合があります。特に寺院が運営する納骨堂では、檀家(だんか)になる必要があるかを事前に確認しておきましょう。 ・無宗教でも利用可能か? ・檀家になる必要があるか? ・法要をどの宗派で行うか? 宗教にこだわりがない場合は、宗派不問の納骨堂を選ぶと良いでしょう。

納骨堂を利用するべき人とは?

納骨堂は、次のような方に向いている供養方法です。 お墓の承継者がいない人 一般墓の維持管理が難しい人 自分一人、または夫婦のみで入りたい人 お墓の費用を抑えたい人 それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。 お墓の承継者がいない人 一般墓は、家族が代々受け継ぐものですが、後継者がいない場合、管理ができなくなるため、納骨堂を選ぶ人が増えています。 ・永代供養が可能で、管理の心配がいらない ・承継者が不要なので、一人でも利用できる 一般墓の維持管理が難しい人 地方にお墓がある場合、管理の負担が大きくなります。そのため、都市部に住む人が「墓じまい」をして納骨堂に改葬するケースも増えています。 自分一人、または夫婦のみで入りたい人 納骨堂は、個人で利用できるものから夫婦・家族単位で利用できるものまでさまざまです。「夫婦だけで入りたい」「家族の負担を減らしたい」という人にとって、納骨堂は最適な選択肢になります。 お墓の費用を抑えたい人 納骨堂は一般墓に比べて費用が安いため、経済的な負担を減らしたい方に向いています。

納骨堂の費用相場と契約の流れ

納骨堂を選ぶ際には、費用の違いや契約内容をしっかりと理解することが重要です。納骨堂の費用は、種類や立地、運営母体によって大きく異なります。また、契約の際には、利用期間や管理費、永代供養の有無など、細かいポイントを事前に確認しておく必要があります。 ここでは、納骨堂の費用相場と契約の流れについて詳しく解説します。

納骨堂の費用相場

納骨堂の費用には、初期費用・管理費・永代供養料などが含まれます。種類や立地、設備によって費用が変わるため、それぞれの費用の内訳を詳しく見ていきましょう。 初期費用 納骨堂の初期費用とは、遺骨を安置するスペースを確保するための費用です。一般的なお墓の「墓石代」に相当します。初期費用は、納骨堂のタイプや広さ、立地によって異なります。 費用を抑えたい方は、ロッカー型や合祀型を選ぶとよいでしょう。 また、一部の寺院では「生前契約(終活の一環として生きているうちに納骨堂を確保すること)」が可能で、割引を受けられるケースもあります。 管理費 納骨堂の多くは、年間管理費を支払う必要があります。これは、施設の維持管理や供養にかかる費用をカバーするためのものです。 ・年間1万円〜3万円程度 ・一括払い(50万円〜100万円)で永代供養の管理費込みプランもあり ただし、「管理費不要」の納骨堂もあります。 例えば、合祀型納骨堂や一部の永代供養付き納骨堂では、最初に永代供養料を支払えば、その後の管理費は不要となるケースがあります。 永代供養料 永代供養料とは、遺族に代わって寺院や管理者が供養を続けてくれるための費用です。承継者がいなくても供養が続けられるため、「子供や親族に負担をかけたくない」という方にとって安心できる選択肢となります。 ・10万円〜50万円(施設や契約内容による) 多くの納骨堂では、「一定期間は個別安置、その後合祀」という形をとります。たとえば、「契約から33年間は個別安置し、その後合祀する」というルールが一般的です。期間が長いほど費用も高くなるため、契約時に確認が必要です。 納骨堂の費用を抑える方法 納骨堂の費用を少しでも抑えたい場合、以下のポイントを押さえておきましょう。 ・合祀型を選ぶ → 個別安置よりも安価 ・公営の納骨堂を探す → 自治体運営のため低価格 ・生前契約を活用する → 割引が受けられる場合あり ・管理費不要の納骨堂を選ぶ → 一括払いで済むケースも 事前に複数の納骨堂を比較し、自分や家族に合った施設を選ぶことが大切です。

納骨堂の契約の流れ

納骨堂を契約する際は、事前にしっかりと情報収集を行い、実際に施設を見学したうえで契約することが重要です。ここでは、納骨堂を利用するまでの流れを詳しく解説します。 資料請求・情報収集 納骨堂の契約を検討する際、まずはインターネットやパンフレットを活用して情報を集めましょう。 ・自宅からのアクセスは良いか? ・宗教・宗派の制限はないか? ・管理費や契約期間は明確か? ・永代供養の有無を確認する 自治体運営の納骨堂は、申し込みに制限がある場合が多いため、募集情報をこまめにチェックしましょう。 現地見学 納骨堂を選ぶ際には、必ず現地を見学することが大切です。パンフレットやウェブサイトの情報だけではわからない点も多いため、実際の施設を訪れて、以下の点を確認しましょう。 ・施設の清潔さ・管理状況(定期的に清掃されているか?) ・お参りのしやすさ(駐車場・公共交通機関からの距離) ・契約内容の詳細(利用期間・管理費・合祀のタイミング) ・他の利用者の雰囲気(静かにお参りできる環境か?) 特に、契約期間終了後の扱い(合祀されるタイミング)は、トラブルを避けるためにも確認が必要です。 契約前の確認 契約をする前に、以下の点を必ずチェックしましょう。 ・利用期間 → 個別安置の期間は何年か? ・管理費 → 年間費用と一括払いの違いを確認 ・永代供養の内容 → どのような供養を行うのか? ・合祀のタイミング → 何年後に合同供養となるのか? ・キャンセルポリシー → 途中解約は可能か? 納骨の手続き 契約が完了したら、実際に遺骨を納骨堂に安置する手続きが必要です。一般的な流れは以下の通りです。 ・申し込みと契約の締結 ・納骨日程の調整(家族と管理者で日程を決める) ・納骨当日:読経・法要を実施(希望者のみ) ・遺骨の安置(管理者が丁寧に収める) 納骨式を行う場合、事前に住職や管理者と打ち合わせをしておくとスムーズです。

納骨堂と他の供養方法の比較

納骨堂は近年、一般墓に代わる供養方法として注目されていますが、ほかにも「永代供養墓」や「樹木葬」など、さまざまな選択肢があります。それぞれの供養方法には異なる特徴があり、自分や家族の希望に合った方法を選ぶことが重要です。 ここでは、納骨堂と永代供養墓、樹木葬の違いを詳しく比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

納骨堂と永代供養墓の違い

納骨堂と永代供養墓は、どちらも「承継者がいなくても供養を続けてもらえる」という共通点があります。しかし、遺骨の安置方法や供養の形式には違いがあるため、目的や希望に応じて適した方法を選ぶ必要があります。 永代供養墓 永代供養墓(えいたいくようぼ)とは、家族や子孫に代わり、寺院や霊園が管理・供養を続けるお墓のことを指します。 一般墓と異なり、後継者がいなくても、施設側が責任を持って供養を行ってくれるのが特徴です。主に以下のような形式があります。 ・合祀型 → 多くの遺骨をまとめて供養する(費用が最も安い) ・個別安置型 → 一定期間は個別に安置し、その後合祀される(期間終了後に合同供養) ・夫婦墓・家族墓型 → 夫婦や家族単位で個別に供養される(永続的に個別安置されるケースも) 費用相場 ・合祀型 … 5万円〜30万円 ・個別安置型 … 30万円〜100万円 ・夫婦・家族墓型 … 100万円以上 メリット・デメリット メリット ・費用が安く、管理の手間がかからない ・墓石を建てる必要がなく、承継者が不要 デメリット ・多くが屋外施設のため、天候に左右されやすい ・合祀されると個別のお参りが難しくなる どちらを選ぶべき? 納骨堂と永代供養墓のどちらを選ぶべきかは、以下のポイントを考慮するとよいでしょう。 納骨堂が向いている人 ・室内で快適にお参りしたい ・お墓の管理や掃除をしたくない ・交通の便が良い場所を希望する 永代供養墓が向いている人 ・費用を抑えたい ・自然に還る形で供養したい ・お墓参りの頻度が少なくても問題ない

納骨堂と樹木葬の違い

近年、自然回帰の考え方が広がり、「樹木葬(じゅもくそう)」という新しい供養方法も注目されています。樹木葬は、納骨堂とは大きく異なる供養スタイルですが、どちらを選ぶか迷う方も多いでしょう。 樹木葬 樹木葬とは、遺骨を墓石の代わりに樹木の根元に埋葬する供養方法です。お墓を持たず、自然の中で眠ることができるため、「自然志向」や「エコ志向」の方に人気があります。主に以下のような形式があります。 ・合祀型 → 遺骨を他の方と一緒に埋葬(費用が安い) ・個別区画型 → 1人または家族単位で専用の区画に埋葬 ・プレート型 → 樹木の根元にプレートを設置し、個別の供養を行う 費用相場 ・合祀型 … 5万円〜30万円 ・個別区画型 … 30万円〜100万円 ・プレート型 … 50万円〜150万円 メリット・デメリット メリット ・自然に還ることができる ・墓石が不要で、比較的安価 ・承継者が不要で永代供養が可能 デメリット ・合祀されると個別供養が難しい ・遺骨の取り出しができない場合が多い どちらを選ぶべき? 納骨堂を選ぶべき人 ・天候に左右されず、快適にお参りしたい ・都市部に住んでいて、アクセスの良い場所を希望する ・遺骨を将来的に取り出せる可能性を残したい 樹木葬を選ぶべき人 ・自然に還る形での供養を望んでいる ・お墓の維持管理の負担を完全になくしたい ・遺族があまり頻繁にお参りしなくても問題ない

納骨堂に関するQ&A

納骨堂について検討していると、さまざまな疑問が出てくるかと思います。契約内容や供養の方法、費用、利用期間など、事前に知っておくべきポイントは多岐にわたります。 ここでは、納骨堂に関してよくある質問をピックアップし、それぞれ詳しく解説していきます。

Q. 納骨堂に納めた遺骨はどうなるの?

A. 納骨堂に納めた遺骨は、契約内容や施設の運営方針によって扱いが異なります。主に次の3つのケースに分かれます。 永続的に個別で安置される  → 夫婦墓・家族墓など、一定の区画を購入する場合 一定期間個別で安置された後、合祀(ごうし)される  → 33回忌まで個別で、その後他の遺骨と一緒に供養される 最初から合祀墓に納められる  → 費用が安く、管理の負担がない 納骨堂を選ぶ際は、「個別安置の期間」が何年か、また最終的にどのような形で供養されるのかを必ず確認しましょう。 施設によっては、「契約を延長して個別安置を続けることが可能」な場合もあります。ただし、延長には追加費用がかかることがあるため、契約時に確認しておくことが重要です。

Q. 納骨堂でも法要やお参りはできる?

A. 納骨堂は、一般のお墓と同じようにお参りをすることができます。施設によっては、住職や僧侶が常駐しており、年忌法要や供養をお願いすることも可能です。 最近では、「手ぶらでお参りできる納骨堂」も増えており、施設側でお花や線香を用意してくれるところもあります。

Q. 納骨堂にペットと一緒に入れる?

A. 近年、ペットと共に眠りたいと考える人が増えており、「ペット共葬型納骨堂」も登場しています。 ただし、すべての納骨堂がペット共葬に対応しているわけではないため、契約前に確認が必要です。

Q. 生前に納骨堂を契約できる?

A. 納骨堂の多くは生前に契約することが可能なため、終活の一環として利用する人が増えています。 生前契約を検討している場合は、「何年間個別安置できるのか」や「管理費の支払い方法」などを詳しく確認しておくと良いでしょう。

まとめ

納骨堂は、お墓の新しい形として多くの人に利用されています。従来の墓石のあるお墓とは異なり、費用が抑えられ、管理の負担が少ないことがメリットです。しかし、施設ごとに契約内容が異なるため、十分な情報を集めて、自分や家族にとって最適な選択をすることが大切です。 もし納骨堂を検討している場合は、複数の施設を見学し、実際の雰囲気を確かめることをおすすめします。施設の管理状況や供養の方法を確認し、安心して供養できる納骨堂を選びましょう。

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