2024.8.14
葬儀の際に欠かせない「お布施」。その意義や金額の相場、適切な渡し方について、 詳しく解説します。
お布施は、僧侶に対する謝礼としての役割を果たしますが、単なる金銭のやり取りではありません。 お布施の本来の意味は「施し」であり、僧侶に対して感謝の気持ちを伝えるための大切な行為です。 葬儀を通じて故人が安らかに成仏できるように祈る、その心を形にしたものがお布施です。 仏教の教えでは、お布施は徳を積む行為とされています。施しをすることで、自分自身の心を 清めることができると考えられています。したがって、お布施は僧侶に対する感謝の表現であると 同時に、自分自身の魂の浄化にも繋がるのです。
お布施の金額は地域や宗派、葬儀の規模などによって異なりますが、 一般的な相場を以 下にまとめます。
一般葬での僧侶へのお布施は、5万円から10万円が目安です。戒名をいただく場合は、さらに 費用がかかることが多いです。戒名の種類やランクによっては、追加で10万円以上の費用が必要になることもあります。
家族葬の場合でも、僧侶に対する感謝の気持ちを込めて、お布施の金額は5万円程度が一般的です。 家族葬は一般葬に比べて規模が小さいことが多いですが、お布施の金額は同様に考えられます。 また、家族葬でも戒名をいただく場合は、別途費用が発生することがあります。
初七日、四十九日、一周忌などの追加法要についても、お布施の相場を把握しておくことが重要です。 以下に、主要な法要におけるお布施の相場をまとめます。 初七日:故人が亡くなってから7日目に行う法要。お布施の相場は3万円から5万円です。 初七日は葬儀と同時に行うことも多く、その場合は葬儀のお布施に含まれることがあります。 四十九日:故人が亡くなってから49日目に行う法要。この日をもって忌明けとされ、 故人が成仏するための重要な節目となります。お布施の相場は5万円から10万円です。 親族や友人が集まることも多く、法要後には会食を行うことも一般的です。 一周忌:故人が亡くなってから1年目に行う法要。家族や親しい友人が集まり、故人を偲びます。 お布施の相場は5万円から10万円です。一周忌以降の法要は回忌法要と呼ばれ、故人の命日ごとに 行うことが多いです。 三回忌以降の法要:三回忌、七回忌、十三回忌など、以降の法要も重要です。これらの法要のお布施は、3万円から5万円が一般的です。法要の際には、家族や親族が集まり、故人を偲びつつ、 成仏を祈ります。 特別な法要:特別な事情がある場合、例えば遠方から僧侶を招く場合や、特別な儀式を依頼する場合には、相場よりも高額なお布施を用意することが適切です。このような場合には、事前に僧侶や葬儀社と相談し、適切な金額を確認しておくと良いでしょう。
法要の準備と進行:四十九日法要から一周忌、三回忌の違いを解説
お布施は、白い封筒に入れて渡します。表書きには「御布施」または「御礼」と書きます。裏面には 自分の名前と住所を書きます。白い封筒が一般的ですが、地域や宗派によっては紅白の結び切りの封筒を用いる場合もあります。
包む際には、新札を避け、使い古しの札を用いるのが一般的です。新札は事前に用意したような印象を与えるため、避けるのが無難です。 また、封筒にお札を入れる際には、札の向きを揃え、表向きにして入れることが礼儀とされています。封筒の中に厚紙やおしろい紙を入れて、お札が折れ曲がらないようにすることも丁寧な心遣いです。
お布施袋には、以下の内容を記入します。
上段中央:大きく「御布施」と書きます。宗派や地域によっては「御礼」と書く場合もあります。 下段中央:喪主の名前や家名を記入します(例:「〇〇家」)
お布施袋の裏面には、以下の内容を記入します。 左下:送り主の住所を小さく記入します。 左下住所の下:送り主の氏名を小さく書きます。 右上:金額を旧漢数字で書きます(例:金伍萬圓)。金額を記入しない場合もありますが、書く方が丁寧です。