初めての弔電ガイド|送り方・文例・マナーをわかりやすく解説

2025.3.27

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身近な人の訃報を受けたとき、直接葬儀に参列できない場合に弔意を伝える方法の一つとして「弔電(ちょうでん)」があります。しかし、初めて弔電を送る際は「どうやって手配すればいいのか?」「どのような言葉を使えばいいのか?」と悩むことが多いものです。 本記事では、弔電の基本から申し込み方法、文例、マナー、料金相場、サービスの選び方まで詳しく解説します。初めての方でも迷わずに弔電を送ることができるよう、ポイントを押さえながら説明していきます。

弔電とは?

訃報を受けた際、直接葬儀に参列できない場合にお悔やみの気持ちを伝える方法の一つが「弔電」です。ここでは、弔電の意味や役割、供花や香典との違いについて詳しく解説します。

弔電の意味と役割

弔電とは、故人を偲び、ご遺族に対してお悔やみの気持ちを伝えるために送る電報のことです。一般的には、葬儀や告別式の前に届くように手配し、葬儀会場で読み上げられることが多いです。 弔電には以下のような役割があります。 ・直接参列できない場合のお悔やみの意思表示 ・ご遺族への励ましの言葉を伝える ・故人への敬意を表す ・ビジネスシーンでは会社としての弔意を示す

供花や香典との違い

弔電は、お悔やみの言葉を文面で伝える手段ですが、供花や香典とは目的や扱いが異なります。

項目目的送るタイミング形式
弔電お悔やみの言葉を伝える通夜や葬儀前まで文書
供花故人を偲び、会場を飾る通夜や葬儀直前
香典ご遺族を経済的に支援する通夜や葬儀の際現金

弔電は香典や供花とは異なり、遠方にいても手配しやすく、簡単に弔意を表すことができる点が特徴です。

どんなときに弔電を送るのか

弔電を送るのは、主に以下のようなケースです。

どんなときに弔電を送るのか

・遠方で葬儀に参列できない場合 ・仕事の都合で葬儀への出席が難しい場合 ・取引先やビジネス関係者に対して会社として弔意を示す場合 ・親しい友人や知人が亡くなった際に、家族へお悔やみを伝えたい場合 特にビジネスシーンでは、取引先や上司のご家族が亡くなった場合などに、会社名義で送ることも多くあります。

弔電の送り方

弔電を送るには、いくつかの方法があります。主に電話、インターネット、郵便局などの手段で申し込みが可能です。ここでは、それぞれの方法と手続きの流れ、申し込みに必要な情報、送るタイミングについて詳しく解説します。

電話・ネットでの申し込み方法

弔電は、電話やインターネットを利用して申し込むことができます。特にインターネットの申し込みは24時間対応しているサービスが多く、忙しい人にも便利です。 電話で申し込む方法 弔電は、NTTの「115番」に電話することで申し込めます。手順は以下の通りです。 1. 「115」にダイヤルし、オペレーターに弔電を送りたいことを伝える。 2. 送り先の情報(故人名・喪主名・葬儀場住所)を伝える 3. メッセージを選ぶ、または自分で考えた文を伝える 4. 支払い方法を指定する(電話料金と合算、クレジットカードなど) 5. 受付完了後、伝票番号を控えておく 電話での申し込みは、オペレーターが対応するため、初めての方でも安心して手続きを進められます。 インターネットで申し込む方法 NTTや民間の電報サービス会社の公式サイトから申し込むことができます。手順は以下の通りです。 1. 電報サービスのウェブサイトにアクセス 2. 弔電の台紙を選択する(シンプルなものから高級感のあるものまで様々) 3. メッセージを選ぶ、または自分で作成する 4. 送り先情報を入力(故人名、喪主名、葬儀場の住所など) 5. 支払い方法を選択し、申し込む インターネット申し込みのメリットは、24時間申し込めることや、文例が豊富に用意されている点です。

郵便局で弔電を送る方法

郵便局では、「レタックス」というサービスを利用して弔電を送ることができます。 1. 最寄りの郵便局へ行く 2. レタックスの申し込み用紙に必要事項を記入 3. メッセージを選ぶ、または自作の文章を記入 4. 料金を支払い、申し込む 郵便局での申し込みは、窓口が開いている時間に限られるため、事前に営業時間を確認しておくことが重要です。

申込時に必要な情報とは?

弔電を申し込む際には、以下の情報が必要になります。 ・故人の名前 ・喪主の名前(わからない場合は「ご遺族様」でも可) ・送り先の住所(葬儀場または自宅) ・メッセージの内容 ・支払い方法(クレジットカード・電話料金合算・銀行振込など) 情報を事前に整理しておくと、スムーズに申し込みができます。

送り先は葬儀場?自宅?

弔電を送る際、送り先は葬儀場が基本ですが、場合によっては自宅に送ることもあります。家族葬や密葬の場合は、事前にご遺族の意向を確認したほうがよいでしょう。

急ぎで送りたい場合の対応

急に訃報を知り、すぐに弔電を送りたい場合は、最短で当日配送が可能なサービスを利用しましょう。 「当日配達可能」なサービスを利用する場合でも、時間帯や地域によっては翌日配達になることがあるため、早めの手配が重要です。

弔電の宛名・差出人の書き方

弔電を送る際には、宛名や差出人の書き方にも注意が必要です。特に、喪主の名前が分からない場合や、連名で送る場合など、正しい書き方を知っておくことが大切です。

宛名の基本ルール

弔電の宛名は、通常、喪主(故人の家族)の名前を記載します。喪主の氏名がわかる場合は、フルネームを記載するのが理想的です。 基本の宛名の書き方 個人宛ての場合:「〇〇〇〇様」 会社宛ての場合:「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇様」 喪主名が分からない場合:「〇〇家ご遺族様」 喪主の名前が分からないときは「ご遺族様」とするのが無難です。ただし、会社関係者や取引先の場合、喪主ではなく会社名宛てにすることもあります。

喪主の名前がわからないときの対応

訃報を受けた際、喪主の名前が分からないことはよくあります。その場合、以下のように記載することが可能です。 喪主名が不明な場合の宛名の書き方 故人の名字が分かる場合:「〇〇家ご遺族様」 故人のフルネームが分かる場合:「故 〇〇〇〇様 ご遺族様」 喪主名が判明している場合:「〇〇〇〇様」 会社関係者宛て:「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇様」 喪主が誰か分からない場合、葬儀社や訃報を伝えてくれた関係者に確認するのも一つの方法です。

差出人名の記載方法

差出人名は、個人または団体の名称を記載します。個人で送る場合はフルネーム、会社として送る場合は会社名を記載しましょう。 基本の差出人名の書き方 個人で送る場合:「東京都〇〇区 〇〇〇〇」 家族で送る場合:「〇〇家一同」 会社名義で送る場合:「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇」 部署・チームで送る場合:「〇〇株式会社 営業部一同」 特に会社関係で送る場合、正式な部署名や代表者名を明記すると、受け取る側も分かりやすくなります。

連名で送る際の注意点

弔電は個人だけでなく、連名で送ることも可能です。例えば、家族、友人グループ、会社の部署などで送ることがあります。 連名の記載方法 2名で送る場合:「〇〇〇〇・〇〇〇〇」 3名以上で送る場合:「〇〇家一同」「〇〇株式会社〇〇部一同」 会社の役職者と社員連名の場合:「〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇 社員一同」 連名の際は、目上の人の名前を先に書くのが一般的です。また、あまり大人数での連名は避け、「〇〇一同」とまとめる方が見栄えもよくなります。

弔電の文例集

弔電の文面は、故人との関係性や宗教、送る相手によって異なります。ここでは、一般的な弔電の例文や、親族・友人・取引先などの関係別の文例をご紹介します。

一般的な弔電の例文

弔電の文例はシンプルなものから、少し気持ちを込めたものまでさまざまです。以下に、一般的によく使われる弔電の文例を紹介します。 【シンプルな弔電の例】 「突然のご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。ご冥福をお祈りいたします。」 【少し丁寧な弔電の例】 「ご尊父様のご逝去の報に接し、心より哀悼の意を表します。ご遺族の皆様のご心痛をお察しし、謹んでお悔やみ申し上げます。」 弔電の文面は、相手を気遣うシンプルな言葉を選ぶのがポイントです。

故人が親族の場合(父母・兄弟姉妹)

家族の訃報に対して送る弔電は、親しみを込めつつも丁寧な表現を用いることが大切です。 【故人が父の場合】 「ご尊父様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。長年にわたり、ご家族のために尽力されてこられたことと存じます。ご冥福をお祈りいたします。」 【故人が母の場合】 「ご母堂様の突然のご訃報に接し、驚きと悲しみでいっぱいです。安らかにお眠りになられますよう、心よりお祈り申し上げます。」 【故人が兄弟姉妹の場合】 「ご令兄様/ご令弟様/ご令姉様/ご令妹様のご逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げます。突然のことでお辛いことと存じますが、どうかお体を大切になさってください。」

故人が友人・知人の場合

友人や知人が亡くなった場合は、故人への敬意を表しつつ、ご遺族を気遣う内容にするのが良いでしょう。 「○○様のご逝去を知り、大変驚いております。生前のご厚情に深く感謝し、ご冥福を心よりお祈りいたします。」 「○○様には長年お世話になり、温かいお人柄を尊敬しておりました。突然の訃報に接し、悲しみが尽きません。謹んでお悔やみ申し上げます。」

取引先や上司・同僚への弔電

ビジネス関係で弔電を送る際は、格式を重視し、簡潔かつ丁寧な表現を心がけます。 【取引先への弔電】 「貴社 代表取締役 〇〇〇〇様のご逝去の報に接し、心より哀悼の意を表します。ご遺族の皆様のご心痛をお察しし、謹んでお悔やみ申し上げます。」 【上司・同僚への弔電】 「〇〇部長のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。生前のご厚情を忘れることなく、心よりご冥福をお祈りいたします。」 ビジネスで送る弔電は、遺族だけでなく会社全体にも配慮することが大切です。

弔電を送る際のマナー

弔電を送る際には、適切な言葉遣いや、宗教・文化的な配慮が求められます。また、ビジネスシーンにおいては、形式や敬語表現にも注意が必要です。ここでは、弔電を送る際に押さえておきたいマナーを詳しく解説します。

忌み言葉・重ね言葉に注意

弔電では、縁起が悪いとされる「忌み言葉」や、不幸が重なることを連想させる「重ね言葉」を避けることが重要です。 忌み言葉の例 「死」「苦」「亡くなる」 → 「ご逝去」「お亡くなりになる」 などに言い換える 「浮かばれない」「迷う」 → 故人の安らかな旅立ちを願う言葉を選ぶ 「四(死)」「九(苦)」 → 文章中にこれらの数字を含めない 重ね言葉の例 「重ね重ね」「再び」「またまた」など、繰り返しを意味する言葉は避ける 「続く」「追う」「引き続き」 も不幸の連鎖を連想させるためNG 例: ✖ 「心より心よりお悔やみ申し上げます。」 〇 「心よりお悔やみ申し上げます。」

メッセージの文字数とレイアウト

弔電の文章には、文字数制限がある場合があります。 文字数の目安 短文(50文字以内):簡潔な弔意を伝える 標準(100~150文字):個人的なメッセージを含める 長文(200文字以上):ビジネスシーンなどでフォーマルに また、弔電は縦書きが基本ですが、横書き対応のサービスもあります。正式な場面では縦書きを選ぶのが一般的です。

ビジネスシーンでの弔電マナー

取引先や上司の家族に送る場合、会社としての立場を踏まえた文面が求められます。 ・会社名義で送る際は、代表者名と部署名を明記する ・役職者宛ての場合、適切な敬称を使う(例:「社長 〇〇〇〇様」) ・会社全体の意向を反映させる場合は、「〇〇株式会社 一同」とする 例: 「貴社 〇〇〇〇社長のご逝去の報に接し、社員一同、謹んで哀悼の意を表します。」 以上のポイントを押さえることで、失礼のない弔電を送ることができます。

弔電の料金・相場

弔電を送る際には、台紙の種類や文字数によって料金が異なります。ここでは、弔電の料金相場や追加料金が発生するケースについて詳しく解説します。

台紙の種類と料金

弔電の台紙には、シンプルなものから高級感のあるものまでさまざまな種類があります。選ぶ台紙によって料金が異なるため、用途に合わせた選択が重要です。

台紙の種類特徴料金相場
シンプル台紙一般的な紙製の台紙。費用を抑えたい場合に適している約660円~1,500円
布張り台紙高級感のある布製台紙。目上の方やビジネスシーン向け約1,500円~3,000円
刺繍入り台紙刺繍が施された上質な台紙。重要な関係性のある方へ約3,000円~5,000円
線香・供物付き台紙線香やろうそくがセットになった台紙。弔意を深く表したい場合に約5,000円~10,000円

シンプルな台紙で十分な場合もありますが、目上の方やビジネス関係者への弔電では、格式のある台紙を選ぶのが望ましいとされています。

文字数による料金の違い

弔電の料金は、台紙の種類だけでなく、文字数によっても変わります。基本的に、文字数が増えるほど料金が高くなります。

文字数料金の目安
50文字以内約660円~1,500円
51~100文字約1,500円~2,500円
101~150文字約2,500円~3,500円
151文字以上3,500円~(追加料金発生)

文字数の制限を考慮しながら、簡潔かつ適切なメッセージを作成することが重要です。

追加料金が発生するケース

弔電の申し込み時に、基本料金以外で追加料金が発生するケースがあります。 当日配達:即日配送には追加料金がかかる(+500円~1,000円) 特別な台紙を選ぶ場合:高級台紙や供物付き台紙は基本料金より高額 特定地域への配達:離島や一部の地域では追加料金が発生することも 事前に料金シミュレーションを確認し、予算に合わせた弔電を選ぶとよいでしょう。

よくある質問Q&A

弔電を送る際には、さまざまな疑問が生じることがあります。ここでは、特に多く寄せられる質問について詳しく解説します。

家族葬でも弔電を送るべき?

送るべきかどうかはご遺族の意向次第です。 家族葬は、ごく親しい身内だけで執り行われる葬儀のため、外部からの弔電や供花を辞退するケースもあります。訃報を受けた際に「弔電はご遠慮ください」と案内があった場合は、送らないのがマナーです。 もし明記されていない場合は? ・故人と親しい間柄であれば、弔電を送ることでご遺族の慰めになることもある ・会社関係であれば、弔意を示すために送るのが一般的 迷う場合は、ご遺族や葬儀社に確認するとよいでしょう。

供花や香典と一緒に送ってもいい?

弔電と供花・香典を併せて送ることは可能ですが、注意点があります。 供花:葬儀場のルールやご遺族の意向を確認する 香典:弔電には現金を同封できないため、香典は別で用意する 会社として弔電を送る場合、供花を合わせて手配することも多いですが、事前に葬儀社や喪主の意向を確認することが重要です。

葬儀が終わった後に訃報を知ったらどうする?

葬儀が終わってから訃報を知ることもあります。その場合でも、適切な形でお悔やみの気持ちを伝えることは可能です。 対応方法としては以下の3つがあります。 ・後日、ご遺族宛に弔電を送る(葬儀が終わった後でも問題なし) ・お悔やみの手紙を送る(より丁寧な対応) ・香典や供物を別途送る(喪主の意向を確認した上で) 「葬儀が終わってしまったから送れない」と諦めるのではなく、適切な形で弔意を示すことが大切です。

弔電を受け取った側の対応は?

弔電を受け取った場合、特にビジネスシーンでは、適切な対応が求められます。 受け取った際のマナー ・葬儀の際に弔電を読み上げる ・送ってくれた方に対して「お礼状」や「電話」で感謝の意を伝える 特にビジネス関係で弔電を受け取った場合は、葬儀後に速やかにお礼状を送るのが一般的です。

おわりに

弔電は、直接葬儀に参列できない場合でも、故人への哀悼の意を伝え、ご遺族を慰める大切な手段です。初めて送る際には、どのように申し込むのか、どんな言葉を選べばよいのか迷うこともあるかもしれません。しかし、本記事で紹介した基本のマナーや適切な文例、送り方のポイントを押さえておけば、安心して弔電を手配できるでしょう。 また、弔電は台紙の種類や文字数、送るタイミングによって料金や手続きが異なります。特に急ぎの場合は、当日配達可能なサービスを利用することが重要です。さらに、家族葬の場合の対応やビジネスシーンでのマナーなど、状況に応じた配慮も欠かせません。 故人を偲び、ご遺族を思いやる気持ちを大切にしながら、心のこもった弔電を送ることができるよう、本記事の内容を参考にしていただければ幸いです。

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