2024.9.26
「遺書」と「遺言」。ほぼ同じものであると考えられている方が非常に多いと思います。しかし、この二つは大きく異なります。今回は、これら二つの違いを紹介するとともに、それぞれについて深く解説していきます。
遺書とは、生前に書く感謝状のようなものです。自分が死んだ後に、家族や友人、お世話になった人に読んでもらうお手紙のような文書なのです。そのため、内容としては感謝を伝えたり、過去を回想するなどが多く、法的効力を持たないものとなります。
遺言とは、生前に書く法律文書の一つです。自分が死んだ後に、自分の土地や財産、株式などを誰にどのように分配するかを通知するという役割を持ちます。そのため、内容は遺産分割の方法と割合が記入されるものとなっており、そのフォーマットは法律で定められたものに従う必要があります。遺言が法的に効力を発揮するのは以下の8つの項目になります。 ・相続人の廃除 特定の相続人から、相続人としての地位を無くし、相続する権利を奪うことができます。 ただし、故人が特定の相続人に対して相続させたくないと考えるには相当な理由がある必要があります。 ・相続分の指定 遺言により、遺族の遺産の取り分を指定することができます。 ただし、一定の相続人の受け取れる最低限度の遺産である遺留分を侵害することができません。 ・遺産分割方法の指定と遺産分割の禁止 遺言により、遺族の遺産分割の方法を決定することができます。 ただし、相続人全員が同意した場合には、遺言書の 内容と異なる遺産分割を遺産分割協議を通して決定することができます。 ・相続財産の遺贈 遺言により、相続人以外の人に財産を遺贈することができます。 ただし、「相続分の指定」の際と同様に、遺留分を侵害することはできません。 ・内縁の妻と子供の認知 遺言により、非嫡出子を認知し、嫡出子とすることができます。 これにより、嫡出子として法定相続人となることができ、遺産をもらう権利を得られます。 ・未成年後見人の指定 遺言者が親権者である場合、その子供の代理人となる人を指定できます。 こちらは、遺言者が未成年者の親権を持つ場合のみ、指定することができます。 ・生命保険金受取者の変更 遺言により、遺言者の生命保険金の受け取り者を変更することができます。 本来、変更には手続きが必要となりますが、遺言がある場合には手続きなしで変更することができます。 ・遺言執行者の指定 遺言書により、遺言の執行者を指定することができます。 指定された執行者は、相続登記や銀行預金の名義人変更など、相続に必要な手続きを代行します。 これらの項目に関しては、法的に正しい書き方ができていれば、遺言に法的効力を持たせることができます。
・自筆証書遺言 ・公正証書遺言 ・秘密証書遺言 こちらについては、詳しくは別記事にて紹介させていただいていますので、そちらをご覧ください。
遺言書 の準備方法:基本から実践まで
遺書と遺言の決定的な差は、「法的効力の有無」であるといえます。上述の通り、前者である遺書は、意志を示す「お手紙」のようなものであるのに対し、後者の遺言は、故人の相続に関する意思を伝える「法律文書」となります。したがって、法的効力の有無が一番大きな違いとなるでしょう。
今回は、「遺書」と「遺言」の違いについてご紹介いたしました。自分がこの世を去る際に、しっかりと意図を整理し、遺書を書くべきなのか、遺言を書くべきなのかを理解しておくことは、終活の一環として有効なのではないかと感じました。この記事が皆様の理解を深めるきっかけとなることを願っております。
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