2024.10.24
「終活」という言葉が日本社会で浸透してから15年ほど経ちました。高齢化社会が進む中、自らの最期をどのように迎えるかという課題に、多くの人が向き合い始めています。しかし、具体的にどの年代が終活をどのように捉え、どのようなことに関心を持っているのでしょうか?今回は、20代以上の男女300人を対象に実施した「終活の意識調査」の結果を基に、現代の終活に対する意識とその背後にある要因について詳しく見ていきます。 <調査概要> 調査対象:20代以上の男女 有効回答数:300名 調査期間:2024年9月 調査方法:選択回答及び自由回答式のインターネット調査 ※構成比の数値は、四捨五入のため 100%にならないことがあります。 意識調査の質問内容は、以下の通りです。 ・一番関心のある終活事項 ・終活を開始するのに適切だと考えるタイミング ・終活を始めた理由(終活を始められている人が回答) ・終活でまとめるべきだと考えている情報 ・終活を通して処理をするべきと考えるデジタル遺産 ・自身が亡くなった際に、携帯のデータをどのように処理してほしいか ・自身が相続人として、故人の遺産などの処理方法をどのような形で受け取りたいか 各質問内容に対する回答を解説していきます。
一番関心のある終活事項は「資産整理」が47.7%で一位となりました。 終活といえば真っ先に浮かぶのが資産、遺産整理という方も多いのではないでしょうか。 他にも「遺言書の作成」、「墓や供養簿手配」、「葬儀の準備」が上位を占め、「死支度」という言葉があるように遺族の負担を軽減できるような行動に関心を持つ方が多いこ とが分かりました。 その一方で、「家族とのコミュニケーション」を重視すると回答した方も約5.3%おり、終活は遺族の負担を軽減するだけでなく、家族と向き合う機会として捉えている方が一定数いることも明らかになりました。
こちらは男女別に見たグラフです。 男性の80%程が「資産整理」に一番関心を持っているのに対し女性は45%程に留まるという結果となりました。 女性は「家族とのコミュニケーション」、「墓や供養の手配」が上位を占めるなど、男女で違いが表れる結果となりました。
こちらは年代別に見たグラフです。 どの年代も資産整理が一番関心を集める結果となりました。
調査の結果、約60%の方が「60歳を超えてから」と考えていることが分かりました。 理由としては、「仕事を辞めてからでないと時間が取れない」「50代はまだやりたいことがたくさんあり、現役を終えた60代くらいがちょうどいいと思 う」など、時間的な余裕や他の優先事項があるためのようです。 また、「亡くなる目処が立たないと始められないと思う」「実際に問題が間近に迫ってから取り組む方が現実的だ」という意見もあり、死が現実になってからでないと終活を始められないと感じている人もいました。 一方で、終活を始める必要がないと考える人も存在し、その理由としては「普段から身の回りのことは整理し、家族に隠し事をせずにしておけば、特別に準備する必要はない」「死後のことは考えず、今を生きたい」という意見が挙げられました。
男女差を比較すると、女性のほうが男性よりも早く終活を始めるべきだと考えていることが分かりました。
年代別で比較してみると、若年層ほど終活を早い段階で始めるべきだと考えていることが分かりました。
終活を始めた理由としては、男女ともに「家族に迷惑をかけたくないから」が一番多いという結果となりました。その中でも、男女別でみると女性のほうが「家族に迷惑をかけたくないから」という理由が男性より7.5%多いことが分かりました。 他の理由として、女性は「病気や年齢をきっかけに考えるようになったから」、男性は「自分の意見をしっかり残したいから」という理由が多いことが分かりました。
全体的にみると、「銀行口座や金融機関の情報」、「保険(生命保険や医療保険)の契約情報」などお金に関する情報をまとめるべきと考えている方が多いことが分かりました。 男女別に比較すると、女性の方が「治療方針や延命措置に関する意思」や「不動産や資産に関する情報」を重要視する割合が男性の約1.5倍にのぼり、明確な男女差が見られる結果となりました。
「オンラインバンクや証券口座の情報」が一番票を集め、「終活でまとめるべき情報」同様、お金に関する情報が多く票を集めました。 この質問では、男女差に大きな違いは見受けられませんでした。
自分がなくなったときのスマホのデータは半数以上の方が「そのまま処分してほしい」と考えていることが分かりました。
男女別でみると「そのまま処分してほしい」と考える方は女性より男性のほうが約10%ほど高く、「全て確認してほしい」と考える方は男性より女性のほうが6%ほど高いことが分かりました。
「エンディングノート(手書きまたは印刷された文書)」、「遺言書(公正証書や自筆証書遺言)」が多く票を集める結果となりました。
いかがでしたでしょうか。終活という言葉や内容は多くの方に認知されているが、実際に終活を行っている方はまだまだ少ないという推論ができる結果となりました。 終活相続ナビでは葬儀社選びや終活についてのご相談をいつでも承っています。気になることがあればいつでもお問い合わせください。 【引用・転載時のお願い】 ・クレジットと出典元のリンクを明記していただきますようお願い申し上げます。 『終活相続ナビ』の調査によると... リンク先<https://www.syukatsu-souzoku.jp/columns/511>
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