2025.3.26
墓石に文字を入れる際の費用相場
新しく作る場合
文字入れのみの費用目安(費用相場:8〜15万円)
魂抜きと魂入れ(費用相場:1〜3万円)
すでにある墓石に追加する場合
文字を追加する(費用相場:5.5〜12万円)
今ある文字を修正する(費用相場:12.5〜34万円)
今ある文字を塗り直す(費用相場:3.5〜10万円)
墓石文字の例
家名
漢字一文字
感謝の言葉
外国語の言葉
墓石に彫刻・文字入れしてはいけない文字
著作権が絡む言葉
不吉・不快な文字
言葉を選ぶ際のポイント
お墓に名前を彫るタイミング
納骨式までに名入れをするのが一般的
例外的なタイミング
名入れのスケジュールを決めるポイント
名前の彫刻はどこに頼む?
新しく建てた墓石の場合
追加彫刻の場合
名前はお墓のどこに彫る?
和型墓石は棹石の側面が多い
洋型墓石は棹石の背面またはカロートの蓋が多い
人数が多い場合は墓誌を設ける
墓誌の費用相場
新しく作る場合(費用相場:12万〜27万円)
今あるものに追加で文字を入れる場合(費用相場:3〜5万円)
お墓に彫刻する文字の色
白、黒、無色、金が一般的
色を選ぶポイント
生前に彫刻 する人の名前は朱色
お墓に彫刻する名前の順番
亡くなった順に彫刻していく
夫婦で彫刻する
代々墓(○○家之墓)の場合
お墓に名前を彫らないのはダメ?
お墓に名前を彫らないケース
名前を彫らないことのデメリット
代替案:墓誌に名前を刻む
まとめ
お墓に名前や言葉を刻むことは、故人への敬意を表し、家族の絆を象徴する重要な行為です。しかし、「どれくらいの費用がかかるのか?」「追加で名前を入れる場合はどうするのか?」など、具体的な情報が分からず悩む方も多いでしょう。 この記事では、墓石に文字を入れる際の費用相場や、知っておきたいポイントを詳しく解説します。
墓石に文字を入れる費用は、墓石の種類、彫刻方法、作業内容によって異なります。新しくお墓 を建てる場合と、既存の墓石に追加する場合で費用の相場が変わるため、それぞれのケースを詳しく解説します。
新しくお墓を建立する際、墓石の購入費用とは別に、文字の彫刻費用が発生します。文字の種類やデザイン、書体、彫刻方法によって価格は異なり、追加の儀式が必要になることもあります。以下、詳細を解説します。
新しく建てる墓石に文字を刻む場合、8万円~15万円が一般的な相場です。
費用が変動する要因 1.文字の大きさと書体 ・標準サイズの楷書体 → 比較的安価(8万円前後) ・デザイン性の高い書体(篆書体など) → 追加費用が発生(10万円以上) 2.文字の内容 ・家名や戒名のみ → 基本料金内に収まることが多い ・故人のメッセージや詩など長文を入れる場合 → 文字数に応じて追加料金(15万円以上になることも) 3.彫刻方法 ・サンドブラスト彫刻(機械彫り):比較的安価 ・手彫り(職人が手作業で彫る):技術料が高くなり費用が上がる
お墓を新しく建てる際には、「魂入れ」と呼ばれる儀式が必要になります。また、すでにある墓石の文字を変更する場合は「魂抜き」を行うことが一般的です。
魂抜きとは? ・既存のお墓に 宿っている故人の魂を抜く儀式 ・改装・修正・移動の際に必要 ・お布施の相場は 1万円~3万円
魂入れとは? ・新しい墓石に故人の魂を宿らせる儀式 ・お墓が完成した後に行うのが一般的 ・お布施の相場は 1万円~3万円
すでに建てられている墓石に、新たに文字を刻む場合、作業内容によって費用が異なります。以下のようなケースに分けて、それぞれの費用相場を解説します。
新たに亡くなった方の名前を刻む場合、一般的な相場は5.5万円~12万円です。費用は、以下の要素によって変動します。
費用が変わるポイント 1.彫刻する文字数 ・名前のみ(例:「田中 太郎」)の場合、比較的安価(5万円前後) ・戒名や命日、没年齢を含む場合、追加料金がかかることが多い(10万円前後) 2.書体の種類 ・一般的な「楷書体」や「行書体」は標準価格 ・特殊な書体(篆書体など)は追加料金が発生する場合がある 3.現場での作業難易度 ・お墓の立地や作業スペースの確保が難しい場合、出張費や作業費が上乗せされることもある
すでに彫られている文字の誤字を直したり、削り直したりする場合、費用は12.5万円~34万円と高額 になります。
修正が高額になる理由 1.文字の削除には高度な技術が必要 ・一度彫った文字を削り、再び新しい文字を彫る作業は難しく、技術料が高くなる 2,墓石全体のバランスを考慮する必要がある ・修正した部分が不自然にならないように、全体のデザインを調整するため、時間と手間がかかる
墓石の文字は、風雨にさらされることで塗装が剥がれることがあります。文字を再び塗り直す場合の相場は3.5万円~10万円です。
塗り直しの際の選択肢 ・白色(一般的な塗料で視認性が高い) ・黒色(モダンな印象で落ち着いた雰囲気) ・金色(高級感があり、特に格式のあるお墓に選ばれる) また、墓石全体のクリーニングを合わせて依頼する場合、別途費用(約3万円~)がかかることもあります。
墓石に刻む文字は、故人や家族の想いを表す重要な要素です。従来の「○○家之墓」という表記だけでなく、個性を反映したデザインやメッセージを刻むケースも増えています。以下、よく使われる墓石の文字例を紹介します。
一般的な墓石では、「○○家」「○○家之墓」といった家名を刻むのが基本です。洋型墓石やデザイン墓石でも、同様に家名を刻むことが多いですが、最近では名字に限らず、愛称やニックネームを刻むケースも見られます。
洋型・デザイン墓石では、故人の人柄や家族との関係性を表す漢字一文字を刻むケースが増えています。 例: 「魅」「逢」「隠」「奏」「清」「宙」「空」「祥」「曙」「憩」「昴」「願」「悠」「浄」「心」「誉」「燈」「想」「偲」「絆」「愛」「慈」「恵」「戒」「慕」「好」「情」 これらの文字は、ご遺族が故人との思い出をもとに選ぶものであり、故人の生前の気持ちに寄り添った言葉が刻まれます。
故人への感謝を表すメッセージを刻むお墓も多くなっています。まるで故人に語りかけるような、温かい言葉が選ばれることが多いです。 例: 「感謝」「一期一会」「無我」「ありがとう」「お礼」「悠久」「静寂」「旅立ち」「安らかに」「永遠」「想い」「偲ぶ」「生きる」「流れ」「希望」「やすらぐ」「ほほえむ」「祈る」 また、詩や俳句を刻むお墓もあり、故人の好きだった言葉や価値観を反映したメッセージが選ばれることもあります。
墓石の彫刻には、日本語だけでなく、外国語の言葉を刻むケースも増えています。 例: 「Que Sera, Sera(なるようになる)」「forever(永遠)」「la vie en rose(バラ色の人生)」「thank you(ありがとう)」「love(愛)」「wish(願い)」 これらは、故人の好きだった言葉や歌のタイトル、人生観を表すメッセージとして刻まれることが多いです。オリジナリティを大切にするご家庭に選ばれる傾向があ ります。
墓石に刻む文字には特に法律上の制限はありませんが、文化的・宗教的な理由や法的な問題から避けた方がよい言葉があります。以下のような言葉を墓石に彫る際は慎重に考えましょう。
墓石に刻む文字は基本的に自由ですが、著作権が絡む歌詞や本のタイトルを無断で彫刻するのは避けた方がよいとされています。 注意すべき点: 1.歌詞や詩の引用は許可が必要 例:「千の風になって」の歌詞を刻む場合、正規の許可を取らなければ著作権侵害になる可能性がある 2.本や映画のタイトルの引用も慎重に 有名な文学作品や映画のフレーズを彫る場合は、著作権や商標権に抵触しないか確認が必要 墓石に刻む言葉は、故人の思い出や家族の願いを反映するものであるため、法律上の問題が起こらないよう注意しましょう。
墓石には、不吉な意味を持つ言葉やネガティブな表現は避けるのが一般的です。 避けた方がよい言葉の例: ・「うたかた」「浮いたか瓢箪」「終焉」「儚い」「終わる」 →「儚い」や「終焉」などの言葉は、人生の無常を表すものの、お墓に刻むには縁起が悪いとされる ・「死」「滅」「崩」などの破滅的な言葉 →これらの言葉は、故人を偲ぶ場である墓石にはふさわしくないと考えられている
墓石に刻む文字は、故人や家族の希望だけでなく、お墓参りに訪れる人々への配慮も大切です。不快に感じる言葉を避け、故人を偲ぶのにふさわしい表現を選ぶようにしましょう。
お墓に名前を彫るタイミングは、納骨式までに行うのが一般的です。ただし、宗教や家庭の事情によって、名前を入れる時期が異なることもあります。ここでは、一般的なタイミングや注意点を解説します。
納骨式とは、火葬後に遺骨をお墓に納める儀式です。通常、四十九日法要の際に行われることが多く、この時までに名前を刻んでおくのが一般的とされています。 納骨式前に名入れする理由 ・お墓が完成した状態で納骨できるため、参列者にとって分かりやすい ・後から彫刻を依頼するより、まとめて施工したほうがコストを抑えられる
家庭の事情や地域の慣習によっては、納骨式までに名入れできない場合もあります。その場合、以下のタイミングで彫刻することが多いです。 1.一周忌や三回忌の法要に合わせて彫刻 ・事情により納骨時に名入れが間に合わなかった場合、一周忌や三回忌のタイミングで追加することも可能。 2.生前に名前を彫る(逆彫り) ・夫婦墓や代々墓では、生前のうちに自分の名前を刻み 、亡くなった際に朱色から黒色に変更する風習がある。
・石材店に事前に相談し、作業期間を確認する ・法要や納骨式に間に合うように、余裕をもって依頼する 納骨式までに名前を彫るのが一般的ですが、事情に応じて最適なタイミングを選びましょう。
墓石に名前を彫る場合、信頼できる石材店や専門業者に依頼するのが一般的です。新しく建てたお墓の場合と、既存の墓石に追加彫刻する場合では、依頼先が異なることもあります。
新しくお墓を建てた場合、墓石の施工を依頼した石材店で、最初から文字彫刻もセットで依頼するのが一般的です。 施工と文字入れを一括で依頼するメリット ・墓石のデザインや素材に適した彫刻ができる ・建墓と同時に彫刻が完了するため、納骨式までに間に合う ・トータルの費用を抑えやすい 依頼する際のポイント ・事前に書体や文字サイズの見本を確認する ・納期を確認し、法要や納骨式に間に合うようにスケジュールを立てる ・複数の石材店から見積もりを取り、価格やサービスを比較する ・信頼できる業者に依頼することで、墓石に違和感なく綺麗に文字を刻むことができます。
すでにある墓石に名前を追加する場合、元々墓石を施 工した石材店に依頼するのが最もスムーズです。 追加彫刻を元の石材店に依頼するメリット ・墓石のデザインや書体を把握しているため、違和感なく仕上がる ・同じ工法・技術で彫刻できるので、品質が統一される ・墓地の規則を熟知しているため、スムーズに対応してもらえる もし元の石材店が分からない場合は、墓地の管理者や寺院に問い合わせると、紹介してもらえることがあります。
墓石に名前を彫る場所は、墓石の形状(和型・洋型)や、家族の意向によって異なります。適切な場所に名前を刻むことで、お墓の見た目を整え、後から追加する際のバランスも考慮できます。
伝統的な和型墓石では、棹石(さおいし)の側面に名前を刻むのが一般的です。 特徴 ・正面には「○○家之墓」や宗教的な言葉を刻むことが多い ・亡くなった方の名前・戒名・命日・享年を側面に刻む ・追加彫刻がしやすいため、後から名前を入れる場合に適している
デザイン性の高い洋型墓石では、棹石の背面や納骨室(カロート)の蓋に名前を刻むことが多いです。 特徴 ・正面には家名やメッセージを刻むことが多い ・背面に亡くなった方の名前を刻むことで、デザインを崩さずに済む ・カロートの蓋に彫る場合、目立たずに 故人の名前を残せる
家族が多く、墓石に名前を刻むスペースが足りない場合は、「墓誌(ぼし)」を設置することが一般的です。 墓誌とは? ・石板に亡くなった方の名前・戒名・没年月日・享年を刻むもの ・墓石の横や後ろに設置されることが多い ・家族が増えても、後から彫刻できるため便利 どの場所に彫るのが適切か? ・追加彫刻を考慮するなら、棹石の側面や墓誌が便利 ・デザイン性を重視するなら、洋型墓石の背面やカロートの蓋が適している ・家族の人数が多い場合は、墓誌を活用するのがベスト お墓の形状や家族構成に合わせて、適切な場所を選びましょう。
墓誌(ぼし)は、故人の名前・戒名・命日・享年などを刻むための石板で、家族の人数が多い場合や、追加彫刻が見込まれる場合に設置されます。墓石本体に名前を刻むスペースが限られているときに便利です。
新たに墓誌を設置する場合、費用の相場は12万円~27万円程度です。 費用が変動する要因 1.石材の種類 ・一般的な御影石は比較的安価(12万円~) ・高級石材(黒御影石など)は価格が上がる(20万円以上) 2.サイズとデザイン ・大きな墓誌や特殊なデザインを施すと追加費用が発生 3.設置場所 ・既存の墓石の近くに設置する場 合、工事費がかかることもある
すでにある墓誌に、新たに名前を追加彫刻する場合の費用相場は3万円~5万円です。 追加彫刻の費用内訳 ・基本料金(1名分):3万円~ ・文字数が多い場合や特殊な書体を選ぶ場合:5万円前後 ・現場での作業が困難な場合(墓誌を工場に持ち帰るなど):追加料金が発生 墓誌を設置するメリット ・墓石に直接彫るスペースを節約できる ・後から家族の名前を追加できるため、長期的に管理しやすい ・まとめて彫ることで、追加の費用を抑えられる 墓誌は、家族の記録を残すために便利なオプションですが、費用や設置スペースを考慮した上で検討することが大切です。
墓石に刻まれた文字は、視認性を高めたり、美観を整えたりするために塗装されることが多いです。どの色を選ぶかによって、お墓の印象が変わるため、慎重に選びましょう。
墓石に彫刻する文字の色には、主に以下のような選択肢があります。
色 | 特徴 | 向いている墓石の種類 |
---|---|---|
白 | 視認性が高く、一般的 | 黒系の墓石(黒御影石など) |
黒 | モダンで落ち着いた印象 | 明るい色の墓石(白御影石など) |
無色(彫刻のみ) | 自然な仕上がりで格式がある | 伝統的な和型墓石 |
金 | 高級感があり目立つ | 洋型墓石やデザイン墓 |
・墓石の色とのコントラストを考慮する(黒い墓石なら白文字、白い墓石なら黒文字が見やすい) ・宗派や地域の慣習に合った色を選ぶ(浄土真宗では金文字を使うことがある) ・長期的にメンテナンスしやすい色を選ぶ(無色の彫刻は色落ちしないが、塗装は剥がれる可能性がある)
墓石に生前の人の名前を刻む場合、その文字を朱色で塗るのが一般的です。 朱色の理由 ・まだ亡くなっていないことを示すため ・生前に名前を彫ることで「家を守る」という意味がある ・故人が亡くなった際、朱色の部分を黒や白に塗り替える 朱色の塗料は、時間が経つと薄くなることがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。
墓石に刻む名前の 順番には、一般的なルールがあり、家族構成や墓石の種類によって異なります。基本的には、亡くなった順に刻むのが一般的ですが、夫婦墓や代々墓では異なるケースもあります。
個人墓や家族墓では、亡くなった順番で名前を刻んでいくのが基本です。 例: 1.祖父(◯年◯月◯日没) 2.祖母(◯年◯月◯日没) 3.父(◯年◯月◯日没) 4.母(◯年◯月◯日没) このように、亡くなるたびに名前を追加する形で刻んでいきます。
夫婦墓の場合、夫と妻の名前を並べて刻むことが一般的です。 夫婦墓の名前の並び方(例) ・右側に夫、左側に妻(和型墓石の場合) ・上に夫、下に妻(墓誌の場合) また、生前に名前を彫る場合は、存命中の人の名前を朱色で塗ることが多く、亡くなった後に黒色や白色に塗り替えます。
代々墓(家族全員が同じお墓に入るタイプ)では、個人名を墓石の側面や墓誌に刻むことが多いです。 ・正面には「○○家之墓」などの表記を刻む ・個人名・戒名は墓石の側面または墓誌に刻む この方法なら、家族が増えてもスペースを確保しやすく、後から追加しやすいメリットがあります。
お墓に故人の名前を彫ることは一般的ですが、絶対に彫らなければならないとい う決まりはありません。しかし、名前を刻まないことで発生するデメリットもあるため、慎重に考える必要があります。
1.宗教や信仰の理由 ・一部の宗教や宗派では、故人の名前を墓石に刻まない習慣がある。 2.家族の意向 ・「できるだけシンプルにしたい」「プライバシーを守りたい」という理由で名前を彫らないこともある。 3.合祀墓(合同墓)に埋葬される場合 永代供養墓や合祀墓では、個別の名前を刻まず、共同の供養碑にまとめられることが多い。
・誰が埋葬されているかわからなくなる_ 代々墓や家族墓では、後世の親族が混乱する可能性がある。 ・供養の対象が曖昧になる 故人の名前が刻まれていないと、参拝者が誰の供養をしているのか分かりにくい。 ・後から追加すると費用がかかる 一度は名前を入れずに建てたものの、後から家族の希望で追加彫刻する場合、数万円の費用がかかる。
もし墓石本体に名前を刻みたくない場合、墓誌(ぼし)に名前を刻む方法もあります。墓誌なら後から追加が容易で、プライバシーを守りながら供養の記録を残せます。
墓石に文字を入れることは、故人を偲び、家族の歴史を刻む大切な儀式です。しかし、費用・タイミング・文字の種類 ・彫刻の場所など、考慮すべきポイントが多くあります。この記事で解説した内容を振り返り、適切な判断ができるようにしましょう。
Xでシェア
LINEでシェア
Facebookでシェア