2024.10.30
供花は、葬儀や法事で故人を偲び、冥福を祈るために贈る花です。花を通じて故人への敬意や感謝の気持ちを伝える重要な役割があります。しかし、供花にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる意味や用途があります。このコラムでは、代表的な4つの供花である「枕花」「供花」「花環」「献花」について、その特徴や役割を詳しく解説します。
枕花は、ご臨終後すぐに故人の枕元に供える花のことを指します。訃報を受けた家族や近親者が届けるものであり、故人との別れを惜しみ、冥福を祈るために贈られます。枕花は、葬儀の前に故人の安置場所に飾られるため、最も初期に贈られる供花の一種です。一般的には、以下のような特徴があります。 ・色合い:白や淡い色を基調にした花が選ばれることが多く、優しさや落ち着きを与えるアレンジが基本です。 ・花材:菊やユリ、カーネーションなど、故人に対する敬意を表す花材が使用されます。 ・贈る相手:主に親族や親しい友人から贈られることが多いです。 枕花は、故人との直接 的なつながりを持つ人々によって贈られるため、親密さと敬意が表現されます。また、豪華さよりも控えめで落ち着いた印象のアレンジが好まれます。 相場は5,000~15,000円程度が一般的です。故人の枕元に控えめに飾ることを考え、小さめのアレンジメントが多いです。
次に紹介するのが、一般的に「供花」と呼ばれるものです。供花には、さまざまな形態がありますが、代表的なものとしてはスタンド花やアレンジメント花が挙げられます。
スタンド花は、その名の通り、専用のスタンドに飾られた花を指します。葬儀会場やお通夜の会場に飾られることが多く、以下の特徴があります。 ・豪華さ:一般的に1段や2段で構成され、大きなサイズが特徴です。白を基調とし、菊やユリなどが多く使用されます。 ・配置:葬儀会場の入り口や会場内の装飾として使われ、会場全体を華やかにし、故人への敬意を示します。 スタンド花は、個人からだけでなく、企業や団体からも贈られることがあり、贈る側の誠意や敬意を大きく示すことができます。 相場は15,000~50,000円ほどが一般的で、大きさや段数により異なります。
アレンジメント花は、バスケットや花器にまとめられた花のことです。アレンジメント花は、そのサイズやデザインの多様さが特徴で、さまざまな場 面で贈ることが可能です。 ・バリエーション:小さめのサイズから大きめのものまで、多くのバリエーションがあり、贈る側の意向や会場の雰囲気に応じて選ぶことができます。 ・利便性:スタンド花に比べて場所を取らず、遺族宅や仏壇に飾るのにも適しています。 アレンジメント花は、個人の心からの弔意を伝える手段として、葬儀のほか、法事やお悔やみの際にも贈られることが多いです。 相場は、5,000~30,000円程度で、サイズや花材によって価格が変わります。
供花に用いられる花の種類に関しては、別記事にて詳しく解説していますので、そちらも併せてご覧ください。
献花と供花の違いとは?花の種類や相場、用意する際のマナー
花環は、供花の中でも特に大きく、豪華なものです。大きな輪状に花が並べられたデザインで、主に大規模な葬儀や公的な式典で使用されます。花環は、見た目のインパクトが強く、以下のような特徴を持ちます。 ・地域性:特に地方の葬儀文化において、重要な役割を持つ供花です。地域によっては、花環が葬儀の場で欠かせないものとされています。 ・贈り手:企業や団体、あるいは多くの個人が連名で贈ることが多いです。弔意を大きく示す手段として、目立つ場所に飾られることが一般的です。 花環は、地方ごとの慣習に合わせた供花として、葬儀の場面で重要な意味を持ちます。 相場は30,000~100,000円程度で、豪華さや地域の習慣により価格が変動します。
献花は、参列者が一輪ずつ手向ける花のことを指します。葬儀や告別式の際に、参列者が故人に対して敬意を示し、一人ひとりが別れの気持ちを表すために行います。 ・使用される花:白い菊やユリが一般的であり、落ち着いた色合いが選ばれます。 ・儀式の一部:献花は、告別式の重要な儀式の一つとして位置づけられています。参列者が花を故人の祭壇や棺の近くに手向けることで、直接的な弔意を示すことができます。 献花は、葬儀の場で最も個人的な弔意を表現する行為の一つです。参列者一人ひとりが故人に別れを告げることができ 、故人への思いが込められた花となります。 相場としては、個別に手向けるため、1本あたり100~300円程度が一般的です。大量に用意する場合には、その分の費用がかかります。
供花には、枕花、供花(スタンド花・アレンジメント花)、花環、献花といった種類があり、それぞれに異なる意味や用途があります。これらの供花を適切に選ぶことで、故人や遺族に対する思いやりや敬意を示すことができます。葬儀や法事の場面で供花を贈る際には、それぞれの供花の特徴を理解し、場面にふさわしい供花を選ぶことが大切です。
Xでシェア
LINEでシェア
Facebookでシェア