2024.11.20
アメリカ最大級の葬儀社SCI (Service Corporation International)とは?
事業概要・基本情報
1. SCIの基本情報
2. サービス内容
葬儀サービス
火葬サービス
埋葬および墓地サービス
事前計画サービス
グリーフケア(Grief Support Services)
3. 財務情報と市場シェア
運営しているブランド
1. Dignity Memorial
2. Funeraria del Angel
3. Rose Hills Memorial Park&Mortuary
4. その他の地域ブランド
社史の概要
1. 創業と初期の発展(1962~1980年代)
2. 上場と全国規模への成長(1980~1990年代)
3. 業界のリーダーへ(2000年代以降)
4. 近年の動向
アメリカの葬儀業界の現状と未来
まとめ
Service Corporation International (SCI) は、アメリカで最も規模が大きい葬儀サービス企業で、北米全域に広がる包括的なサービスネットワークを通じて、個人や家族が人生の重要な節目で必要とする葬儀、火葬、埋葬、および事前計画などのサービスを提供しています。 1970年に設立されたSCIは、創業当初から「買収による規模拡大」という戦略を採用し、地域の小規模な葬儀社や墓地運営会社を統合。現在ではアメリカ全50州とカナダに拠点を持つまでに成長しました。また、多様なブランドを展開し、地域ごとの文化や宗教的なニーズに応じたサービスを提供しているのが特徴です。
SCIは北米分野の大手葬儀会社です。 創業年:1970年 本社所在地:アメリカ・テキサス州ヒューストン 従業員数:25,000人以上(2024年時点) 運営施設数:1483以上の葬儀場、494以上の墓地 サービスエリア:アメリカ44州およびカナダ8州、コロンビア特別区、プエルトリコ
SCI 公式HP
SCIは、単なる葬儀社ではなく、包括的な葬儀ソリューションプロバイダーとして以下のようなサービスを展開しています。
・個別の葬儀プランの作成から、家族へのサポート、式典の実施までを提供しています。 ・宗教的な儀式や文化的なニーズにも対応します。
近年人気の火葬プランを充実。火葬後の追悼式や遺骨の管理サポートも行います。
墓地の提供、記念碑の設置、墓地のデザインなど、幅広い選択肢を用意しています。 樹木葬やエコ葬儀など、環境に配慮したオプションも提供中です。
生前に自身の葬儀プランを設計できるサービス。将来的な費用負担や家族の精神的負担を軽減します。
葬儀後の心理的支援プログラムを用意。オンラインセッションや地元コミュニティとの連携を通じて遺族を支援します。
年間収益:2023年時点で約40億ドル。 業界シェア:北米葬儀市場の約15~20%を占めると推定されており、圧倒的なリーダーシップを誇ります。
SCIは、一律のサービスではなく、地域ごとの文化、宗教、価値観に応じたサービスを展開するため、複数のブランドを運営しています。それぞれのブランドが特定のニーズに応じた独自の特徴を持っています。
SCIの旗艦ブランドであり、北米全域に1600以上の拠点を展開しています。 葬儀や火葬だけでなく、追悼イベント、記念碑作成、遺族支援サービスまで提供しています。 品質の高さや信頼性で知られ、SCI全体の収益の多くを占めています。
Dignity Memorial 公式HP
主にヒスパニック系のコミュニティを対象としたブランドです。 言語サポートや宗教的・文化的慣習を重視し、個々の要望に柔軟に対応しています。
Funeraria del Angel 公式HP
多様な文化的、宗教的背景を持つ家族に専門的なサービスを提供しています。 敷地面積は 1,400 エーカーと広大です。
Rose Hills Memorial Park&Mortuary
地元の伝統や信頼を尊重し、買収した葬儀社のブランド名を維持して運営している地域も多数あります。これにより、地元住民との長年の信頼関係の継続を実現しています。
SCIは1962年、テキサス州ヒューストンでロバート・L・ウォルデンによる家族経営の葬儀場からスタートしました。 「買収による拡大戦略」を採用し、全米各地の葬儀社や墓地を次々に買収しながら、規模を拡大していきました。
1984年、SCIはニューヨーク証券取引所に上場。これにより大量の資金調達が可能となり、さらなる買収を推進しました。 アメリカ44州に加え、カナダ市場にも進出し、北米をカバーするネットワークを構築しました。
2000年代以降、火葬サービスの需要増加や、オンラインでの事前計画サービスなど、新しい市場のニーズに対応したサービスを導入しています。 テクノロジーを活用し、顧客がオンラインで葬儀の詳細を選択・計画できるツールも提供しています。 環境に配慮した葬儀オプション(例:グリーン葬儀やエコ墓地)も加え、社会的責任にも配慮しています。
COVID-19の影響を受け、仮想追悼イベントやライブストリーミングサービスを開始しました。 現在では、持続可能性や新しい家族形態に対応した柔軟なサービスが注目されています。
アメリカの葬儀業界は現在、大きな変革期を迎えています。火葬率の増加や環境配慮型葬儀への関心の高まり、さらにデジタル技術の進化が、従来のビジネスモデルに挑戦を突きつけています。一方で、葬儀ディレクターの役割への信頼不足やスタッフ不足などの課題も顕在化しています。 NFDA(全米葬祭ディレクター協会)によれば、業界のリーダーたちは、こうした変化に対応するため「NFDA Future’s Forum2023」で、革新的なアイデアの提案を行いました。環境配慮型葬儀の標準化やAI・AR技術を活用したサービスの効率化、仮想空間を活用した追悼体験の提供などがその一例です。また、コミュニティやホスピスとの連携強化、SNSを通じた家族との事前接触も重要視されています。 このような取り組みは、葬儀サービスをより消費者中心のものへと変える一方で、業界に新たな価値をもたらす可能性を秘めています。未来に向けた挑戦が、葬儀業界をさらに進化させるでしょう。
参照元:FUTURE’S FORUM 2023 Meeting Report
SCI (Service Corporation International) は、規模の大きさだけでなく、地域性や文化を尊重した柔軟なサービス展開が特徴の葬儀サービス企業です。葬儀業界のリーダーとして、顧客の多様なニーズに応えると同時に、業界の革新を牽引しています。 今後も葬儀業界の課題に対応しながら、個々の家族が抱える問題を解決し続ける企業としての役割が期待されます。
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