法事での「のし袋」完全マニュアル:購入先、選び方、書き方からマナーまで徹底解説!

2024.12.4

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法事での「のし袋」完全マニュアル:購入先、選び方、書き方からマナーまで徹底解説!

法事や葬儀において使用する「のし袋(不祝儀袋)」は、香典や香典返しを包むための大切なアイテムです。しかし、表書きや水引の種類、金額の書き方など、多くのマナーやルールがあり、特に初めて用意する方にとっては迷いがちです。また、地域や宗教による違い、購入先の選び方、さらには袱紗や配送サービスの活用方法なども理解しておく必要があります。 本記事では、法事で使用するのし袋について、選び方から書き方、購入先や配送方法、マナーまでを詳しく解説します。故人や遺族への敬意を示すため、正しい知識を身につけましょう。

のし袋とは?法事で使われる不祝儀袋の基礎知識

のし袋の意味と役割

のし袋は、金銭や物品を包むための袋で、慶事(祝い事)や弔事(法事や葬儀)に使用されます。特に法事や葬儀で使用されるものは「不祝儀袋」と呼ばれ、香典を包む際に欠かせないアイテムです。 香典とは:故人への供養や遺族への支援を目的として渡す金銭のことを指します。のし袋は、この香典を包むために使用されます。 法事での使用場面  ・通夜や葬儀での「霊前」。  ・四十九日以降の法要での「仏前」。  ・神式やキリスト教で使用する特殊な表記。

のし袋の種類と選び方

法事で使用するのし袋は、宗教や地域、法事のタイミングによって適切なものを選ぶ必要があります。

水引の種類と選び方

のし袋の水引(みずひき)は、弔事専用のものを選びます。水引には「結び方」と「色」による違いがあり、それぞれ意味が異なります。

結び方:結び切り 一度きりで終わることを願う「結び切り」が弔事では基本です。 あわじ結び(輪結び)も弔事で使われる場合があります。 水引の色の違い 黒白 ・仏式で最も一般的な水引の色。 ・通夜や葬儀、法事など幅広い弔事で使用されます。 双銀(銀銀) ・関西地方を中心に使われることが多い色。 ・仏式の弔事で使用されます。 黄白: ・一部の地域で使われる水引。 ・特殊な慣習があるため、事前に確認が必要です。

のし袋や水引の正しい選び方と注意点

香典袋の選び方には、金額や宗教に応じた配慮が必要です。適切な香典袋を選ぶことで、故人や遺族への敬意を示すことができます。ここでは、水引の選び方と使用時の注意点について解説します。

金額に応じた水引の選び方

香典袋の水引は、包む金額に応じて選び方が変わります。

1万円未満の場合 印刷された水引を使用します。色は黒白が一般的ですが、地域や状況に応じて藍銀も適切です。 1万円以上の場合 本物の水引が付いた香典袋を選びます。質感や見た目に重みがあるため、包む金額にふさわしい印象を与えます。 特に3万円以上の場合 双銀のあわじ結びを選ぶのが最適です。あわじ結びは「ほどけない結び」として、弔意を示すとともに格式の高さも伝わります。

宗教による水引の使用制限

宗教によっては、水引の使用が適切でない場合もあります。

キリスト教の場合 水引の付いた香典袋は使用しません。代わりに、ユリや十字架が描かれた封筒や無地の封筒を選びましょう。 仏教や神道の場合 水引を使用した香典袋が一般的です。ただし、仏教の香典袋によく見られる「蓮の花柄」は仏教専用であり、神道や他の宗教では不適切です。宗派による違いを理解して選びましょう。

水引の不適切な選び方に注意

香典袋の選び方を誤ると、失礼にあたることがあります。次の例を参考に注意してください。

金額に不釣り合いな水引を選ぶ 例えば、3千円の香典で本物の水引付き香典袋を使用すると、過剰に見える場合があります。 宗教に合わないデザインを使用する キリスト教で蓮の花柄が入った香典袋を使うのは不適切です。同様に、仏教以外の宗教で水引付きの香典袋を使うことも避けましょう。

のし袋の書き方:マナーと注意点

表書きの記載方法

のし袋には、香典の種類や用途に応じた表書きを記載します。

記載に使う墨 通夜や葬儀では薄墨を使用。「涙で墨が滲んだ」ことを表現するためです。 法事では濃墨を使用。供養の場でははっきりとした文字を書くのがマナーです。

法事で使われる表書きの種類

表書きは、宗教や法事のタイミングに応じて次のように選びます。

仏式 「御霊前(ごれいぜん)」 意味:故人の霊魂を弔う意図を示す表書きです。 使用タイミング:通夜、葬儀、三十五日までの法事。 注意:宗教、宗派を問わず使うことができます。 「御仏前(ごぶつぜん)」 意味:故人が成仏した後、仏様の前に供えることを示す表書きです。 使用タイミング:四十九日以降の法要や一周忌、三回忌など。 注意:「御仏前」は四十九日以降に限定して使用します。 「御香料(ごこうりょう)」 意味:仏前で香をたくための費用を供えるという意味を持ちます。 使用タイミング:特に香典を指す言葉として広く使われます。 神式 「御玉串料」「御霊前」などが一般的です。 神式では仏式の「御仏前」を使用しないため、注意が必要です。 キリスト教 「御花料」「御ミサ料」が基本的に使用されます。花を手向けることで故人を偲ぶという意味が込められています。カトリックの場合には「御ミサ料」、プロテスタントなら「御花料」が使用されます。

名前の書き方

個人の場合:フルネームを中央に丁寧に記載します。 連名の場合 ・2名まで:縦に並べて記載。 ・3名以上:代表者の名前を記載し、右下に「外一同」と添える。

中袋の書き方

表面: 金額を漢数字で記載します(例:「金壱萬円」)。 注意:算用数字は使わず、漢数字が基本的。 裏面: 住所と氏名を記載。香典返しの際に遺族が確認できるよう、はっきりと書きましょう。

新札を避ける理由

香典袋に包むお札は、新札を避けるのが基本的なマナーです。新札は「不幸を予期して準備していた」と捉えられることがあるためです。ただし、やむを得ず新札を使用する場合は、軽く折り目をつけるとよいでしょう。

香典の金額相場:関係性や地域別に解説

香典の金額は、故人との関係性や地域の慣習によって異なります。以下を目安に準備しましょう。

金額の目安(仏式の場合)

以下の金額が一般的です。 親族:  両親・祖父母:1万円~5万円。  おじ・おば:1万円~3万円。 友人・知人:5千円~1万円。 会社関係(上司・同僚):3千円~5千円。

注意点

・偶数の金額は避ける:特に「4(死)」や「2(分かれる)」を連想させるため、奇数の金額を選びます。 ・地域ごとに相場が異なる場合があるため、事前に確認するのが無難です。

のし袋の購入先

文房具店

文房具店は、高品質で書きやすい紙を使用したのし袋が揃っています。特に筆や筆ペンを使って表書きを記載する際には、にじみにくい紙質のものを選びたい場合に最適です。 メリット 高品質な製品が豊富に揃っているため、見栄えを重視したい場合におすすめ。 専用の筆ペンや薄墨のインクなど、のし袋記載に必要なアイテムも一緒に購入できる。 デメリット 他の購入先に比べて価格がやや高め。 特定の宗教や地域の風習に特化した商品は少ない場合も。 おすすめの利用シーン 一周忌や三回忌など、フォーマルな場で使用する高品質ののし袋を準備したい場合。

仏具店

仏具店は、仏式法事に特化した用品を取り揃えており、宗教や地域の習慣に応じたのし袋を購入することができます。一部の仏具店では、店員が表書きの書き方や宗教別の選び方についてアドバイスをしてくれることもあります。 メリット 仏式法事に適したデザインが豊富(蓮の花などのデザインが入ったものなど)。 宗教ごとの対応が可能で、浄土真宗や真言宗など、特定宗派に合った商品が見つかりやすい。 地域特有の水引(黄白など)を取り扱っている店舗も多い。 デメリット 一般的な商品よりも価格が高いことがある。 店舗数が少なく、近隣に仏具店がない場合には利用が難しい。 おすすめの利用シーン 地域特有の慣習や宗教別の表書きに対応したのし袋が必要な場合。 法事全般の準備を一括で行いたい場合(お供え物や仏具も揃えられるため)。

オンラインショップ

Amazonや楽天などのオンラインショップは、幅広い種類ののし袋が手軽に購入でき、最短で翌日配送が可能な場合もあります。特に法事が控えているが忙しくて買い物に行けない方や、特定のデザインやサイズの袋を探している場合に便利です。 メリット 豊富な種類の中から選べるため、ブランドやデザインにこだわりたい場合にも対応可能。 最短翌日配送や、指定日配送など、スピーディーな対応が可能。 一部店舗では、包装やのし紙の印刷対応が付いているため、表書きの記入に自信がない場合にも安心。 デメリット 実物を確認できないため、思っていた色や質感と異なる場合がある。 商品の配送が遅れる場合があり、直前の法事には対応しづらい。 おすすめの利用シーン 時間がなく、急ぎでのし袋が必要な場合。 特定のデザインや宗教別の対応が必要な場合(「御仏前」などの印刷済み商品も多数あり)。

スーパー・コンビニ

スーパーやコンビニでは、基本的なデザインののし袋が手軽に購入できます。特に急に必要になった場合や、出先で準備が必要な場合に便利です。 メリット 24時間営業の店舗が多く、急に必要になった場合でも購入可能。 黒白の水引を使用したシンプルなデザインが多く、幅広い場面で使用できる。 デメリット デザインのバリエーションが少なく、特定宗教や地域の習慣に対応していない場合が多い。 書きやすさや品質を求める場合には不向き。 おすすめの利用シーン 急な通夜や葬儀で、すぐにのし袋を準備する必要がある場合。 簡易的な法事や知人向けの香典袋が必要な場合。

のし袋を渡す際に気をつけるポイント

のし袋を渡す行為は、香典を通じて遺族や故人に敬意や弔意を示す重要なコミュニケーションの一環です。遺族が感謝の意を持つ一方で、香典を丁寧に渡すことで礼節を守ることが求められます。

渡し方の基本ルール

袱紗(ふくさ)を使用する のし袋を直接手で持たず、袱紗で包んで持参するのがマナーです。 ・弔事用の袱紗の色は、紫・黒・灰色が一般的。 ・袱紗を使うことで、のし袋が汚れたり折れたりするのを防ぎます。 ・袱紗がない場合は、清潔なハンカチや布で代用し、直接のし袋を手で持たないよう工夫しましょう。 両手で丁寧に渡す 片手ではなく、必ず両手で渡すことが重要です。相手の目を見て、心を込めて渡します。 適切な言葉を添える 渡す際には一言、弔意の言葉を添えることで礼を尽くします。これにより、形式だけでなく心が伝わる渡し方になります。

のし袋を渡すタイミング

葬儀・通夜の場合 のし袋は、会場に到着後、受付で渡します。 ・受付が設置されている場合:のし袋を受付の担当者に渡します。 ・受付がない場合:遺族(施主や喪主)に直接渡す。 法事の場合(四十九日、一周忌など) 法事では、会場に着いたら遺族(施主)に渡すのが一般的です。 ・法要開始前に渡す:故人を偲ぶ場が始まる前に渡すのがマナーです。 ・会場で受付が設置されている場合は、そちらで渡します。 遅れて到着した場合 法事や通夜に遅れてしまった場合、到着後すぐに遺族へお詫びの言葉を伝え、のし袋を渡します。

まとめ:法事でののし袋マナーを押さえて故人と遺族に敬意を示そう

のし袋の正しい選び方、書き方、そしてマナーを守ることは、故人や遺族への敬意を示すための大切なステップです。適切な金額を包み、表書きや水引、袱紗の使い方を正しく理解して準備を整えましょう。また、購入先や配送サービスを活用して、時間や手間を効率化することも可能です。宗教や地域の慣習を尊重し、心のこもった弔意を伝えましょう。

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