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遺言書の書き方:自分の意志をしっかり伝える

2024.6.14

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遺言書は、自分の死後に財産や遺産をどのように分配するかを明確にするための重要な文書です。 遺言書を書くことで、自分の意志をしっかりと伝えることができます。 本記事では遺言書の区分や書き残しておくべき内容について解説していきます。

どういう人が遺言書を書くべきなのか

多くの方が、莫大な財産や複雑な家庭環境を持つ人が書くものと考えがちですが、 実はそうでない人にとっても遺言書の作成は重要なものです。 ・相続財産がある人 ・家族構成が複雑な人 ・特定の人に財産を多く遺したい人 ・自分の意思を明確にしたい人 ・相続トラブルを回避したい人 法律に定められた要件を満たし、有効な遺言書を作りましょう。

遺言書でできること

まず、遺言書でできることには以下のものがあります。必要な項目があるかを確認しましょう。

1 特定の相続人に多く資産を相続する 法定相続分を超えた取り分の指定が可能です。ただし、法定遺留分の侵害がされている分は権利が 行使される可能性もあります。 2 特定の相続人を排除する 虐待や侮辱などをしてきた人に資産を渡したくない場合、家庭裁判所に認められればその相続人から 相続権を消失させることができます。 3 遺産分割方法の指定と禁止 相続開始から5年を超えない範囲で、遺産分割を禁止することができます。相続人が若く不安がある場合に先に伸ばしたり、遺産分割で揉めないために冷却期間を設けることが考えられます。 4 遺贈について 通常、相続人に引き継がれる財産ですが、遺言書の作成により知人や団体など法定相続人以外の第三者に財産を渡すことができます。 5 認知 内縁の妻との間に子供がいて、生前に行うと揉めそうな場合、遺言によって子供を認知することが できます。その場合認知された子供も相続人として遺産相続に加わることが可能です。 6 後見人の指定 自分が死んだ後、未成年の子供がいて親権者が不在となる場合、遺言によって第三者を後見人に 指定することができます。 7 遺言執行者の指定 遺言内容を執行してくれる人物、あるいは執行者を決める人を指定することができます。

遺言の作成方式について

一般的に作成される遺言には3つの形式があります。 ・自筆証書遺言 ・公正証書遺言 ・秘密証書遺言

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が作成年月日・氏名・内容などを自筆で記入し、 押印して保管する方式です。財産目録についてはPCで作成することが認められています。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証役場で決められた形式の遺言書を作成し、役場に保管するという方式です。 事務的な手間やコストはかかりますが、公証人が作成するため、法的に無効となるリスクを抑えることができます。

秘密証書遺言

自筆証書と公正証書の間のような方式です。遺言者が署名捺印などを行い、封印した後に公証人に所定の処理をしてもらうというものです。

作成時の注意点

形式ごとに満たすべき要件がありますので注意しましょう 実は遺言書の効力については、要件を満たしていないために無効とされるケースが多くあります。 よく無効となる自筆証書遺言について解説をしていきたいと思います。

要件1 全文自筆で書く

財産目録などパソコンを使ったりして良い部分を除いて自筆で書く必要があります。 動画や録音での遺言は認められませんので注意しましょう。

要件2 日付を入れる

必ず日付を自筆する必要があります。日付が抜けただけでも無効とされますので注意しましょう。

要件3 氏名を自筆で書き、押印

遺言者の署名押印が必要です。認印でも構いませんので忘れずに押しましょう。 また、書き間違えた場合の訂正にも二重線を引いて近くに押印し、その上で余白に「2字を削除」などと書き署名する必要があります。加筆の場合にも吹き出しで挿入と押印を行い、余白に「3字を加入」などと書いて署名する必要があります。

無効になるケース

よく無効になるケースとして以下のパターンがあります。 ・一部分がパソコンで作成されている ・塗りつぶしや修正テープの使用など、認められない方法で訂正がされている ・被相続人以外が加筆したりしている

基本的に遺言書は家庭裁判所の検認を受けなければなりません。 検認を受けずに開封すると過料という罰金のようなものが課されることもありますので 注意しましょう。また、検認を受けたら必ずしも遺言が有効となるわけではありません。 体力・時間的に余裕のある方は、自筆証書遺言を法務局で預かってもらうか、公正証書遺言など 専門家に形式のチェックをしてもらえる方法を選択しましょう。

遺言書で揉めないために

これまでは遺言書によってできることや作成時の注意に触れてきましたが、作成した遺言が 正しく執行されるとして、遺族で揉めないことも大事かと思います。 トラブルを未然に防ぐために気を付けるポイントをあげておきます

1 弁護士や司法書士に相談する

財産といっても、資産(動産、不動産、預金、有価証券)や、負債など様々なものがあります。 自分が意図しない相続結果とならないよう、漏れなく確認を行うためにも税理士や弁護士、 司法書士などの専門家に相談してしまうことがスムーズです。

2 遺留分を侵害しないようにする

相続人の遺留分を侵害した場合、権利者が遺留分侵害額の請求を起こすことが可能となります。 相続人が請求を起こさなければ希望通りにはなりますが、トラブルを回避するためにも遺留分は 侵害しないようにしましょう。

最後に

遺言書を適切な形式で書くことで、自分の意思をしっかりと残すことができますが、一方で守るべき 要件や、注意点を踏まえて作成することが重要です。 本記事では一人で作成する場合を中心に書きましたが、トラブルを招かないために予め家族や専門家としっかり話し合うことが重要とされています。 また、遺言書を残す場合には自分の死後、遺族が発見してくれる場所におくか、存在を知らせておく ことも必要となりますので、それらの注意点を踏まえて、円滑な相続対策を行いましょう。

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