戒名の値段はいくらが妥当？平均相場や院号など違いを解説

お寺で葬儀を行うにあたり、必要となるのが「戒名」。そもそも、「戒名」というものが何なのかを 知らない方が多いと思います。そのため。今回は、この「戒名」の相場やこれがそもそも何なのか、 何のためにあるのかなどを、わかりやすく簡単に説明していきます。

1.「戒名」の存在意義

戒名は、亡くなった方が仏様の弟子になったことを証明するために、つけられるものだと言われています。それ以外にも、戒名の存在によって、極楽浄土へ迷わずに進むことができるとも言われています。 このように、戒名は亡くなられた方の、「死者としての新しい名前」と考えたら、わかりやすいかもしれません。また、「戒名」に対して、生きているときの名前のことを「俗名」といいます。

2. 「戒名」の種類

戎名は、「院殿号・院号」、「道号」、「戒名」、「位号」の四つのパーツに分かれており、これらを組み合わせて作られています。今回は、各パーツの意味や種類について簡単に説明していきます。 ・院殿号・院号 これらは、戒名の中でも最上位のランクに位置しており、その中でも、院殿号のほうが院号よりも位が高いといわれています。これらは、全ての人につけられるわけではなく、皇族や大きな社会貢献をした人に対してのみ、付けられるものとなっています。 ・道号 道号は、家名や性格などの故人の特徴を連想させるような漢字が、後に続く「戒名」とのバランスを とってつけられます。道号は、院号などとは異なり、多くの人に付けられるものとなっており、自由度の高いものとなっています。しかし、注意点として、水子・幼児・未成年者は付けないという点と、 縁起に関わる文字や動物、それ以外にも体の一部を表す漢字を用いることができないという点が あります。 ・戒名（法号・法名） 戒名は、故人の名前から一文字と、故人の尊敬していた人や教典、仏さまから一文字拝借した二文字で構成されます。こちらも、注意点として、歴代の天皇の尊号や年号に含まれた漢字は使うべきではないという点があります。 ・位号 位号は、戒名全体の一番下に着けられるもので、仏教における階級を示しています。この位号は、故人の生前の地位や社会貢献度、信仰心から付けられるものとなっています。また、性別や年齢で付けられる位号が異なるため、それぞれに分けて紹介していきます。 成人男性：大居士＞居士＞信士 など 成人女性：清大姉＞大姉＞信女 など 多くの方は、信士や信女などを授かります。 また、16歳以下の子供に対しては、以下のような位号が授けられます。子供に関しては、地位などは 考慮されず、年齢と性別によって位号が決定されます。 男児：童子・大童子など(15歳ぐらいまで)／嬰児・幼児など(4～5歳以下)／水子(乳幼児～4歳まで) 女児：童女・大童女など(15歳ぐらいまで)／嬰女・幼女など(4～5歳以下)／水子(乳幼児～4歳まで)

3. 「戒名」の種類別相場

戒名を付けていただく際の相場ですが、こちらは「位号」と「宗派」によって決定されるものとなっています。また、「戒名料」としてお寺さんにお支払するわけではなく、「お布施」としてお寺さんに 対して納めるものとなっています。そのため、明確な金額はありませんが、おおよその相場通りに お支払することで、トラブルを事前に防ぐことができます。 それでは、以下に宗派・位号別の戒名料の相場を示します。 【浄土宗】 「信士・信女」　　　約30万～40万円 「居士・大姉」　　　約50万～60万円 「院信士・院信女」　約70万円～ 【真言宗・天台宗】 「信士・信女」　　　約30万～50万円 「居士・大姉」　　　約50万～70万円 「院信士・院信女」　約80万円～ 「院居士・院大姉」　約100万円～ 【日蓮宗】 「院信士・院信女」　約30万～50万円 「院居士・院大姉」　約100万円～ 【浄土真宗】 「信士・信女」(釋・釋尼)　　　約20万円～ 「居士・大姉」(院釋・院釋尼)　約50万円～ 【臨済宗】 「信士・信女」　　　約30万～50万円 「居士・大姉」　　　約50万～80万円 「院居士・院大姉」　約100万円～ 【曹洞宗】 「信士・信女」　　　約30万円～ 「居士・大姉」　　　約50万～70万円 「院信士・院信女」　約100万円～ 「院居士・院大姉」　約100万円～

各宗派別で位号による戒名料の相場は、以上の通りです。 今回は、戒名の存在意義から、相場までをご紹介しました。身近な人がなくなってしまった時に備え、しっかりと学んでおくことは重要です。 このガイドを参考にして、親族の万が一の時に備えながら、お寺さんとのトラブルにならないように しましょう。