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生前に名義変更すべき財産とは?生前贈与の利点と必要な手続きなどを解説

2024.6.28

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財産の名義変更は、生前に行うべきこととされています。遺産相続の際に生じるトラブルを避けるためにも、生前贈与や名義変更についてしっかりと理解しておくことが大切です。 この記事では、名義変更すべき財産の種類や生前贈与の利点と注意点、必要な手続きについて詳しく解説します。

名義変更が必要な財産

名義変更を検討すべき財産には、以下のようなものがあります。

1. 不動産

不動産には土地と建物があります。土地は住宅用地、農地、商業用地などを含み、所有者が明確に登録されている資産です。 相続時に最もトラブルが発生しやすく、土地の利用目的や所在地によって価値が大きく変動します。 建物も土地同様、相続時の評価が高く、複数の相続人がいる場合はトラブルの原因になりやすいです。建物の維持管理も重要なポイントです。 生前に名義変更を行うことで、このような相続時のトラブルを避けることができます。

2. 金融資産

金融資産には預貯金、株式、投資信託などが含まれます。 預貯金は銀行や信用金庫に預けられた現金であり、流動性が高く、相続時にすぐに現金化できるため 分配が容易です。 しかし、相続税の対象となるため計画的な贈与が重要です。 株式は株式会社の株主としての権利を表す証券で、市場価値が変動するため評価が難しい財産の 一つです。 投資信託は投資家から集めた資金を専門家が運用する金融商品で、分散投資が可能でリスクを 軽減できますが、相続時には評価額の変動に注意が必要です。

3. 車両

車両には自動車とバイクがあります。 自動車は個人所有の車両であり、高価な資産となり得るため相続時の名義変更が必要です。 特に希少車や高級車は評価額が高く、相続税の対象となります。 バイクも自動車同様に名義変更が必要です。特に趣味性の高いバイクは価値が変動することがあり、 早めの対応が求められます。生前に名義変更を行うことで、相続後の手続きをスムーズに進めることができます。

4. その他の財産

その他の財産には貴金属、美術品、知的財産などがあります。 貴金属は金、銀、プラチナなどの貴重な金属で、市場価値が変動しやすく相続時の評価が 難しい財産です。 美術品は絵画、彫刻、骨董品などの芸術作品で、評価が非常に難しく相続時にトラブルが 発生しやすいです。 知的財産には特許権、商標権、著作権などが含まれ、ビジネスの重要な資産となり得るため、 相続時の名義変更が重要です。 これらの財産は専門家による適切な評価と名義変更が必要です。

名義変更の手続きと必要書類

1. 不動産の名義変更

不動産の名義変更には、法務局での登記手続きが必要です。 登記申請書、遺産分割協議書、固定資産税評価証明書、身分証明書、登録免許税の支払い証明書などを準備し、法務局に提出します。この手続きは、相続人間のトラブルを避けるために非常に重要です。 手続きを円滑に進めるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

2. 金融資産の名義変更

金融資産の名義変更には、各金融機関に対して名義変更の申請を行います。 事前に各金融機関に必要書類を確認することが重要です。 通常、遺言書(ある場合)、相続関係説明図、戸籍謄本、口座名義変更申請書、身分証明書が 必要になります。 金融資産の名義変更を行うことで、相続発生後の煩雑な手続きを避けることができます。 また、生前贈与を利用することで、相続税の負担を減らすことができます。

3. 車両の名義変更

車両の名義変更には、陸運局で車両の名義変更手続きを行います。 手続きが完了すると、新しい名義人の名前が車検証に記載されます。 必要書類としては、車検証、譲渡証明書、委任状、身分証明書、自動車税納税証明書が求められます。 車両の名義変更は比較的簡単ですが、遺産として残す場合はトラブルの元になることがあるため、 生前に名義変更を行っておくと安心です。

4. その他の財産

その他の財産については、貴金属や美術品の場合、専門の評価機関での評価と贈与契約書の作成が 必要です。 知的財産の場合は特許庁への申請が必要です。 評価証明書(貴金属、美術品の場合)、贈与契約書、特許庁への申請書類(知的財産の場合)などを 準備し、申請を行います。 その他の財産についても、生前に名義変更を行うことで相続時のトラブルを避けることができます。 特に価値が変動する財産は早めの対応が重要です。

生前贈与の利点と注意点

生前贈与には多くの利点があり、その一方で注意点も存在します。

生前贈与の利点

生前贈与の活用

生前贈与を活用することで、相続税の負担を軽減できます。年間110万円までは贈与税が非課税となる ため、この枠を利用して計画的に贈与を行うことで、相続税対策が可能です。特に大きな財産を持つ 場合、数年間にわたって少額ずつ贈与することで、税負担を大幅に減らすことができます。※

相続トラブルの回避

生前に財産の名義変更や贈与を行うことで、遺産分割時のトラブルを未然に防ぐことができます。 特に複数の相続人がいる場合は、生前に具体的な財産分配を決めておくことが重要です。 家族間の争いを避け、円満な相続を実現するためには、生前贈与の活用が有効です。 もし、何かあった時のためにもエンディングノートを作っておくことをお勧めします。

財産管理の明確化

生前贈与により、財産の管理者が明確になります。これにより、財産の適切な運用や管理が 可能となり、家族間の信頼関係も維持しやすくなります。 特に高齢の親が財産を管理しきれない場合、信頼できる子供に名義を変更することで、 適切な管理が期待できます。

生前贈与の注意点

贈与税の課税

年間110万円を超える贈与には贈与税が課されます。贈与税率は贈与額に応じて異なり、 場合によっては高額な税金が発生することがあります。 そのため、贈与の計画は慎重に行う必要があります。

贈与契約の明確化

贈与契約書を作成しておくことが重要です。口頭だけの贈与では、後々トラブルになる可能性が あります。贈与契約書には、贈与の内容や日付、贈与者と受贈者の署名捺印が必要です。 これらの書類は、複製を作成し、贈与者と受贈者それぞれが一部を保管することが推奨されます。 さらに、書類の紛失を防ぐために、安全な場所に保管し、必要に応じて信頼できる第三者 (例:弁護士や公証人)にも保管を依頼することが有効です。

財産管理の責任

生前贈与によって財産の管理者が変わるため、受贈者が財産を適切に管理できるか確認する必要が あります。特に高額な財産や管理が難しい財産を贈与する場合は、受贈者の能力や意向をしっかりと 確認することが重要です。

遺留分の考慮

相続人には法律で定められた遺留分があります。遺留分とは、法定相続人が最低限相続できる権利の ことです。たとえば、配偶者や子供がいる場合、全体の相続財産の1/2が遺留分として保護されます。 具体的には、配偶者と子供がいる場合、配偶者が1/4、子供が1/4ずつの割合で遺留分を持ちます。 生前贈与を行った結果、遺留分を侵害することになる場合、相続人から遺留分減殺請求が行われる 可能性があります。遺留分を考慮して贈与を行うことが必要です。

生前贈与の手続き

生前贈与を行う場合、贈与契約書を作成し、贈与税の申告を行います。贈与契約書は贈与の意思を 明確にするためのものであり、後々のトラブルを避けるために作成しておくと良いでしょう。贈与税の申告は、毎年2月1日から3月15日までに行う必要があります。贈与税の申告書を税務署に提出し、 必要な税金を納付します。必要書類としては、贈与契約書、贈与税申告書、財産評価証明書、 戸籍謄本、身分証明書が必要です。

生前に名義変更を行うことは、相続の際のトラブルを避けるために非常に有効です。財産の種類や 手続きの方法についてしっかりと理解し、計画的に進めることが重要です。生前贈与や名義変更を検討している方は、ぜひ専門家に相談して具体的なアドバイスを受けることをお勧めします。 ※あくまで調査情報のため、実際に検討する際は必ず専門家へご相談ください。

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