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相続:身近な人が亡くなった時、何から始めれば良い?

2024.6.17

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相続:身近な人が亡くなった時、何から始めれば良い?

身近な人が亡くなった時、その悲しみや喪失感に加えて、相続手続き財産の処理などの問題に 直面することは、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。 しかし、このような状況に直面した時にこそ、冷静な判断と適切な行動が求められます。 この記事では、身近な人が亡くなった時に何から始めれば良いかについて、具体的な手順や 注意すべきポイントについて解説していきます。

スケジュール

まず、身近な人が亡くなった場合に知っておくべきことは次のスケジュールです。 相続人の構成によって、時間がかかる手続きもありますので、逆算して速やかに着手しましょう。 専門家に任せるものも多くありますので、まずは大まかな把握で構いません。 ・死亡届の提出(死亡を知ってから7日以内) ・年金事務所への届出(厚生年金は死亡後10日以内、国民年金・国民健康保険は14日以内) ・遺言書の有無の確認 ・相続人の確定 ・財産の調査 ・銀行口座の凍結 ・相続方法の選択(相続開始を知った日から3ヶ月以内) ・遺産分割協議 ・準確定申告(相続開始を知った日から4ヶ月以内) ・相続性の申告と納付(相続開始を知った日から10ヶ月以内) ・不動産の相続登記(相続開始を知った日から3年以内)

・死亡届の提出(死亡を知ってから7日以内)

市町村役場へ提出します。病院で発行される死亡診断書または死体検案書とともに 必要事項を提出します。 火葬許可証の発行のために、葬儀社が手続きをサポートしてくれることもあります。

・年金事務所への届出(厚生年金は死亡後10日以内、国民年金・国民健康保険は14日以内)

故人が年金受給者である場合に受給停止手続きを行います。年金事務所へ連絡をしましょう。

・遺言書の有無の確認

相続においては遺言の内容が重要となりますので、有無を確認します。 本人が書いた「自筆証書遺言」、公証人に依頼して作成する「公正証書遺言」、 内容は秘密なまま作成する「秘密証書遺言」の3種類があります。 自筆証書遺言→自宅か法務局 公正証書遺言→公証役場 秘密証書遺言→故人の自宅 に保管されている可能性があります。 公正証書遺言か法務局保管の自筆証書遺言であれば追加の対応はありませんが、 自宅で遺言を発見した場合、秘密証書遺言を発見した場合はは家庭裁判所に検認という手続きを 依頼し、相続人に遺言の存在を周知することが必須とされています。 最近ではエンディングノートという、遺言としての効力は持たないものの、自分の財産や希望を 書いたノートを残す方もいるようですので、もしできるならば生前にそのようなものを残していないか 聞くことができるとスムーズに手続きが進むでしょう。

・相続人の確定

相続人が誰なのかを確定します。 「自分たち兄弟だけというのがもうわかっているから大丈夫」と思うかもしれませんが、 意外な落とし穴の可能性もあります。 相続人を確定させるには、亡くなった被相続人の戸籍生まれたときから全て集める必要があります。また、のちに遺産分割協議を行う場合は相続人全員の署名捺印が必要だったりしますので、 漏れなく確認しましょう。 生まれてから亡くなるまでの戸籍を集めることで、配偶者・子供・両親などを漏れなく確認でき、 相続人を確定させられます。

・財産の調査

資産と負債両方を明らかにしましょう。 現金・預金 有価証券(株式・小切手) 動産(貴金属類、自動車等) 不動産(家、土地等) 権利(ゴルフ会員券、特許権等) 金庫を調べたり、各所へ問い合わせを行います。不動産については権利証や自治体の名寄せ帳で 確認が可能です。

・銀行口座の凍結

銀行など故人が口座を持っていると思われる金融機関に連絡をしましょう。 銀行口座はその方が亡くなったことがわかると口座凍結と言って引き落としや払い出しの手続きが できないようになります。困る方もいるかもしれませんが、銀行に連絡せず預金を引き出してしまうと、相続を単純承認したとみなされることもあります。 単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産も引き継ぐことです。相続放棄をしたい場合でも、 銀行口座から預金を引き出してしまうと、単純承認とみなされて相続放棄ができなくなる 可能性があります。

・相続方法の選択 単純承認・相続放棄・限定承認

遺産相続の権利はあくまで権利ですので、どのように行使するかを選択します。 被相続人が得るはずだった資産・収益・負債、全て受け継ぐ「単純承認」、 一切を受け継がない「相続放棄」、 資産に応じて負債も受け継ぐ「限定承認」の3パターンがあります。 借金の方が多くて相続放棄をする方もいるかもしれませんが、相続放棄と限定承認をするには 相続開始を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所への申述が必要となるので注意しましょう。

・遺産分割協議

遺言書がなかった場合は法定相続人全員で分割方法を協議し、決定します。 全員が参加できる状態であれば電話やメール、webミーティングでの実施も可能です。 「誰にどの財産をどのくらい相続するか」を決めたら「遺産分割協議書」にまとめます。 形式は自由ですが、相続人全員分の署名と押印が必須です。 仮に協議がまとまらなければ、家庭裁判所で遺産分割調停という手続きをとります。 相続税の申告期限に間に合うよう、できるだけ速やかに協議を進めましょう。

・準確定申告

亡くなった方が生前に確定申告が必要な所得を得ていた場合、所得税の「準確定申告」が必要です。 所得税は本来1~12月に生じた所得を計算し、翌年3月中旬までに税務署へ申告します。 しかし、年の途中で亡くなった方は、1月から死亡日までの所得を算出し、所得税の税額を 申告しなければいけません。相続人は相続の開始を知った翌日から4ヶ月以内に、準確定申告の申告が 必要となりますので、早めに税理士や税務署へ手続き方法を確認しておきましょう。

・相続税の申告と納付(相続開始を知った日から10ヶ月以内)

相続財産が基礎控除額以下であれば相続税はかからないため、 原則申告する必要はないとされています。 しかし、例外となるケースもあるため、表面的な情報だけで判断せず、しっかりと調べることが 重要です。申告を怠ってしまうと、思わぬペナルティが科せられる可能性があります。 基礎控除額は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)という計算式で求めることができますが、 他にも様々な確認が必要です。そのため、専門家への相談がおすすめです。

・不動産の相続登記(相続開始を知った日から3年以内)

不動産を相続した場合、2024年4月1日以降は相続登記が義務化されます。これにより、 不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行わないと、10万円以下の過料が科される 可能性があります。2024年4月1日以前に相続した不動産についても、未登記の場合は2027年3月31日 までに登記を行う必要があります。そのため、自分がどちらの期間に該当するかを確認し、 適切な対応を取ることが重要です。以下に詳しい説明をします。

令和6年4月1日以降に不動産を相続で取得したことを知った場合

不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をしない場合で、 相続登記をしないことについて正当な理由がないときには、過料の対象となります。 加えて、遺産分割によって不動産を取得した場合には、遺産分割の日から3年以内に、その結果に基づく登記をしない場合で、その登記をしないことについて正当な理由がない場合に、過料の適用対象となります。

令和6年4月1日以前に不動産を相続で取得したことを知った場合

令和9年3月31日までに相続登記をしない場合で、相続登記をしないことについて 正当な理由がない場合には過料の対象となります。 加えて、遺産分割によって不動産を取得した場合には、遺産分割の日から3年以内に、その結果に基づく登記をしない場合で、その登記をしないことについて正当な理由がない場合には、過料の適用対象となります。

まとめ

身近な人が亡くなった場合に相続に関係する手続きとスケジュールを記載しましたが、 あくまで大まかなものです。 相続財産の処理には、相続人間での協議や手続きなど複雑な行程が多いため、専門家のアドバイスを 受けることをお勧めします。 また、専門家のアドバイスを受けた場合でも手続きや遺産分割協議にそもそも時間がかかることも あり、処理に当たっては早めに早めに行動を起こすことが重要です。 精神的な負担が大きいタイミングも重なると思いますが、思わぬところで躓かないように 事前に対策を考えるのも良いでしょう。

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